コース要綱

2017民法III(取引法)

[講義基本情報]

教員: 平林 美紀
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅳ期
対象年次: 2年
開講時限: 木3 木4
単位数: 4単位
必修の有無:
教室: -

 

講義概要 この授業は、講義形式で行う。
民法第3編「債権」のうち、第1章「総則」および第2章「契約」に定められたルールを中心とした講義であり、私人間で締結される売買等の契約をめぐる諸ルールを学ぶものである。関連する特別法(利息制限法、借地借家法等)にも適宜触れる。
到達目標 (1)債権総論、契約法(契約総論、契約各論)と呼ばれる分野について、基本的な枠組みを十分に理解した上で、専門的知識も習得すること。
(2)上記の分野における重要な判例や学説の対立等を学ぶことを通じて、民法典の妥当性または限界について理解すること。
(3)六法の使い方や解釈の方法等、法律学の基礎となるスキルにさらに磨きをかけること。
教科書 この授業は、特定の教科書に依拠したものではないので、教科書は各人の予復習の必要および好みに応じて選択すれば良い。講義の要点をまとめたレジュメを授業の進行に応じて配布する。教科書の選び方やレジュメ利用の際の注意等、詳細は初回の授業で説明する。
参考書・参考資料 六法を頻繁に参照するので、必ず持参すること。紙媒体のものが望ましい。
成績評価方法 定期試験(100%)による。
履修条件 「民法Ⅰ(総論)」および「民法Ⅲ(物権法)」を履修していることが望ましい。なお、第3編「債権」のうち第3章〜第5章は、「民法Ⅳ(事故法)」の講義対象であるから、合わせて履修するとより債権法全般に対する理解も深まると思われる。
その他の注意 到達目標の(1)(2)に関しては、知識の単純な暗記を意味しない点に注意をされたい。なぜそのような条文になっているのか、なぜそのような判決が下されたのか、なぜ学説上の争いがあるのかを考える姿勢で授業に臨んでほしい。

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 はじめに 本講義の学習対象を理解する。
(1)債権・債権法とは何か(物権、物権法との比較)
(2)債権の発生から消滅まで
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
2 債権の発生原因としての契約の意義 債権が主として契約から発生することを理解するとともに、13の典型契約の意義を理解する。
(1)契約、事務管理、不当利得、不法行為とは何か
(2)典型契約の種類と特徴
(3)契約自由の原則とその限界
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
3 契約の成立と債権債務の発生 契約がどのように成立するのか、また、その結果、どのような効果が生じるのかについて、売買契約を例に理解する。
(1)申込みと承諾
(2)契約書と手付けの機能
(3)売主/買主の権利/義務
前回の復習をし、契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
4 債権・債務の多様性 売買契約を例に、「債権の目的」に関するルールを理解する。
(1)特定物債権と種類債権
(2)金銭債権
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第1回から第4回までの復習をすること。
5 契約の終了(1) 契約に基づいて生じた債務の履行が通常どのように行われるのかについて、売買契約を例に理解する。
(1)履行の時期と方法
(2)債権の終了原因としての弁済
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
6 契約の終了(2) 弁済以外の債権の消滅原因について理解する。
(1) (弁済)供託
(2) 代物弁済
(3) 相殺
(4) 更改
(5) 免除
(6) 混同
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第5回から第6回までの復習をすること。
7 債権の強制的履行

強制履行の制度の概要について、民事執行法にも触れながら理解する。
(1)強制履行(履行の強制)とは何か
(2)直接強制
(3)代替執行
(4)間接強制

債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
8 債務不履行に基づく損害賠償(1)

債務不履行に関する各種の制度を概観した上で、債務不履行に基づく損害賠償の要件(415条)について理解する。
(1) 債務不履行に関する各種の法制度
(2) 損害賠償の要件

債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
9 債務不履行に基づく損害賠償(2)/受領遅滞 債務不履行に基づく損害賠償の効果を(416条、417条を中心に)理解する。また、受領遅滞の要件及び効果について、法的性質をめぐる議論を踏まえて理解する。
(1)損害賠償の範囲
(2)金銭賠償の原則
(3)受領遅滞
前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
10 契約の効力(1) 債務不履行に基づく各種の制度を概観し、強制履行、損害賠償請求、解除等の諸制度の位置付けを理解する。双務契約の牽連性についても理解する。
(1)契約の解除と民法上の諸制度
(2)契約の効力と双務契約の牽連性
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
11 契約の終了(3) 解除一般を理解するとともに、債務不履行に基づく解除に関して、その成立要件(541条、543条)を中心に)及び効果を理解する。解除とは何か
(1)解除の種類(合意解除、約定解除、法定解除)
(2)債務不履行に基づく解除権の発生
(3)解除権行使の方法
解除の効果(原状回復義務等)
前回の復習をし、契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
12 契約の効力(2) 双務契約における存続上の牽連性として、危険負担制度について理解する。 契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
13 売買契約(売主の担保責任を中心に) 売主の担保責任について、瑕疵担保責任(570条)を中心に理解する。
ここまでの講義について、売買契約を念頭に置きながら振り返る。
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第7回から第13回までの復習をすること。
14 贈与契約 贈与契約について理解する。
(1)贈与契約とは何か
(2)贈与契約をめぐる諸問題
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
15 消費貸借契約 消費貸借契約について、利息制限法等の特別法にも触れながら理解する。
(1)消費貸借契約とは何か
(2)金銭消費貸借契約と借主保護の必要性
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
16 賃貸借契約(1) 賃貸借契約について理解する。
(1) 賃貸借契約とは何か(使用貸借契約との比較)
(2) 不動産賃貸借の重要性と賃借人保護の必要性(借地借家法の歴史)
(3) 借地借家法の内容
(4) 賃貸借契約をめぐる諸問題
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
17 賃貸借契約(2)

前回に続き、賃貸借契約について、借地借家法の内容を学びながら、さらに理解を深める。

前回の復習をし、契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
18 請負契約(1) 役務提供契約の一つとしての請負契約について理解する。
(1) 役務提供契約とは何か
(2) 請負契約とは何か
(3) 請負契約をめぐる諸問題
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
19 請負契約(2) 前回に続き、請負契約についてさらに理解を深める。 前回の復習をし、契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第14回から第19回までの復習をすること。
20 債権の効力 債権の効力について、債務者に対するものと、第三者に対するものがあることについて理解する。
(1) 債権の相対効
(2) 債権の対内的効力と対外的効力
(3) 債権の効力が一部欠ける場合
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
21 責任財産の保全(1) 責任財産保全の必要性について学んだ上で、債権者代位権について理解する。
(1) 債権者平等の原則と責任財産保全の必要性
(2) 債権者代位権の要件および効果等
前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
22 責任財産の保全(2) 前回に続き、債権者代位権および詐害行為取消権について理解する。
(1) 債権者代位権の転用
(2) 詐害行為取消権の法的性質
(3) 詐害行為取消権の要件および効果等
前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
23 責任財産の保全(3) 前回に続き、詐害行為取消権についてさらに理解を深める。 前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第20回から第23回までの復習をすること。
24 債権の譲渡(1) 債権譲渡について理解する。
(1) 債権譲渡とは何か
(2) 債権譲渡と債務者との関係
(3) 債権譲渡と第三者との関係
債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
25 債権の譲渡(2) 前回に続き、債権譲渡について理解する。 前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。
26 債務引受/契約上の地位の移転

債務引受について理解するとともに、賃貸借契約を例に、契約上の地位の移転について理解する。
(1) 債務引受とは何か
(2) 契約上の地位の移転とは何か(賃貸借契約を例に)

前回の復習をし、債権総論の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第24回から第26回までの復習をすること。
27 委任契約 委任契約について理解する。
(1) 委任契約とは何か
(2) 委任契約をめぐる諸問題
契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
28 その他の契約 寄託契約、組合契約、終身定期金契約、和解契約について、概要を理解する。 契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。
29 預金契約 私人の生活にとって重要性の高い預金契約について理解する。
(1) 預金契約とは何か
(2) 預金契約をめぐる諸問題(債権の準占有者に対する弁済等)
債権総論および契約法の教科書の該当頁を読み、予習すること。講義終了後、第27回から第29回までの復習をすること。
30 講義全体のまとめ 本講義の内容全体を振り返り、債権法改正の要否についても検討する。 第29回までの復習をすること。
 

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