コース要綱

2017憲法II(人権・憲法訴訟)

[講義基本情報]

教員: 大河内美紀
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅲ期
対象年次: 2年
開講時限: 木1 木2
単位数: 4
必修の有無:
教室: -

 

講義概要  この講義では、憲法Ⅰの履修を前提として、人権分野における憲法学説・判例を概説する。違憲審査制を採用した日本国憲法の下では、人権問題の多くが裁判という場で議論されている。そのため、単に条文解釈を覚えるのではなく、人権条項が具体的に、どのような場で、どのように論じられ、保障されているのか/いないのかを、憲法判決を通じて検討することを、この講義の主題とする。
 本講義では冒頭、違憲審査制の基礎知識を講じた後、通例の体系書にならい、日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義をする。その際、可能な限り、人権保障の歴史や比較憲法の知識などにも言及することで、受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自分なりにそれを分析・検討する力を身につけられるような講義にしたいと考えている。

到達目標

憲法Ⅰの履修を前提として、この講義では以下の点を目的した講義を行う。
①人権分野における基本判例を正確に理解し、その当否を考察できる。
②人権分野における学説を正確に理解する。
③裁判を通じた人権保障システムを正確に理解し、具体的な人権問題の検討にあたり、その知識を用いることができる。

以上を通じて、日本国憲法の保障する人権およびその保障システムに関する専門的知識と総合的判断能力を身につけることを目標とする。

教科書 教科書は特に指定しない。講義はレジュメに従って行う(初回のレジュメは4/14に配布する。2回目以降のレジュメの配布方法については初回講義で説明する)。
判例集は一冊は手元に用意してもらいたい。講義では以下のものをベースに進める。
・野中俊彦・江橋崇『憲法判例集』[第11版](有斐閣新書、2016)
参考書・参考資料

さしあたり、概説書として、以下のものが参考となるだろう。その他の参考文献については、必要に応じて講義内で適宜指示する。

・本秀紀編『憲法講義』(日本評論社、2015)
・辻村みよ子『憲法』[第5版](日本評論社、2016)
・野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法〔第5版〕』Ⅰ・Ⅱ(有斐閣、2012)
・芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』[第6版](岩波書店、2015)
・浦部法穂『憲法学教室』[全訂第3版](日本評論社、2016)
・佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011)

成績評価方法 期末試験による。定期試験は論述式の試験である。
100点満点で60点以上を合格とし、60点以上69点までをC、70点以上79点までをB、80点以上をA、90点以上をSとする。
 
履修条件 特になし。
その他の注意

・なるべく新聞を読むこと。現実の政治社会問題に関心のない人にとって、憲法学をマスターすることはかなり困難であると思う。テレビやネット上のニュースで満足せず、新聞をぜひ読んで欲しい。
・講義のレジュメはシラバスシステムにupする。各自印刷して持参されたい。

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1,2 概論:基本的人権を保障する意義 明治憲法や諸外国の憲法との比較において、日本国憲法が「基本的人権の保障」を定めていることの意義を理解する。

3,4 司法権の観念と違憲審査制 司法権の観念と違憲審査制に関する基本的事項を講義する。その上で、日本の違憲審査制度の動態について講義する。
5,6 総論:人権享有主体性 憲法の保障する基本的人権を享有するのは誰か、という問題について、特に「外国人の人権」と「法人の人権」の問題を取り上げて講義する。
7,8 総論:人権の限界 「人権の限界」に関する基本事項を講義し、その制約のあり方を講義する。
9,10,11 表現の自由 人権のなかでも「最も重要」といわれる表現の自由について、その特徴および基本的内容を明らかにする。
表現の自由の限界について、具体的な判例・学説を取り上げつつ講義する。
12,13,14 平等 「法の下の平等」に関する学説・判例を講義する。
15,16 思想・良心の自由 「精神的自由」が何故保障されなくてはならないかを、他の人権(経済的自由など)との比較において理解する。
思想・良心の自由に関する学説・判例を講義する。

17,18 信教の自由と政教分離 信教の自由および政教分離に関する学説・判例を講義する。
19,20 学問の自由 学問の自由に関する学説・判例を講義する。
21,22 職業選択の自由 営業の自由に関する学説・判例を講義する。
23,24 財産権 近代憲法において最も重要とされた財産権が生存権保障との関係で相対化されてきたことを講ずる。また、それぞれの人権に関する基本事項と基本判例を説明する。 
25,26 生存権 社会権のうち、主に生存権に関する学説・判例を講義する。
27,28 教育をうける権利と労働基本権 社会権のうち、教育を受ける権利と労働基本権について、基本事項と判例を解説する。
29,30 幸福追求権 「包括的人権」としての13条に関する学説・判例を講義する。
13条から具体的に導かれる人権である「幸福追求権」について、その内容・外延の問題を検討する。
 

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/KW67KJ

 

Assignments Summary:

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