コース要綱

:(9300079)経済法Ⅰ

[講義基本情報]

教員: 林 秀弥
その他の教員:
科目種別: 展開先端
開講時期: 秋学期
対象年次: 2年(2年コース1年)
開講時限: 木3
単位数: 2
必修の有無: 選択
教室: セミナールーム2(アジア法交流館)

 

[講義概要]

講義概要 ●独占禁止法を中心とした経済法の最新の内容について,理論的および実務的側面の双方から明らかにする。基本的には,判決例および公正取引委員会の審決例やガイドライン(指針・運用基準)に沿って,日本の現行の独占禁止法の全体像を正確かつ客観的に講義する。
●経済のグローバル化に伴い,日本の主要企業のほとんどがアメリカおよびヨーロッパでもビジネスを展開している。したがって,講義では,必要な範囲で,米国反トラスト法およびEU競争法との比較法的考察も適宜行う。
●「経済法 Ⅰ」では,経済法の体系的理解の獲得を目指し、独占禁止法の主要違反類型に焦点を当てる。経済法Ⅰ=「不公正な取引方法の規制」を除く主要な実体法、経済法Ⅱ=「不公正な取引方法の規制」及び手続問題という区分でおおむね捉えられたい。
●必要に応じて、実務家(弁護士・公正取引委員会職員等)を招いて講演してもらい、実務と理論の架橋に留意する。
到達目標 第1に,経済法体系における独占禁止法の位置づけを理解する。
第2に,独占禁止法全般について基礎的な知識を正確に修得する。
第3に,独占禁止法の解釈論上の主要論点について,理論の筋道に沿って議論を展開しうるようにする。併せて,実務上の問題を解決する能力を身につける。

教科書 ① 泉水文雄・土佐和生・宮井雅明・林秀弥著『LEGAL QUEST 経済法 第二版』有斐閣、2015年
②金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄編『ケースブック独占禁止法〔第2版〕』弘文堂、2010年

※①は講義で言及し使用することが多いので、受講者は初回までに入手しておくことが望ましい(むろん肌に合わなければ、無理にはお薦めすることはしない)。②は①に準じて適宜講義で用いる。②については、2013年4月に新版(第3版)が出版されているが、既に第2版を持っている人は買い換える必要はない。授業では第2版を用いるので、第3版で臨まれる方はご自身で対応をお願いしたい。いずれにせよ、②に掲記されたケースを読んで設問に対する解答を討議することを通じて、独禁法の基本原理の体系的理解を目指す。
参考書・参考資料 ①岡田羊祐・林秀弥編著『独占禁止法の経済学』東京大学出版会、2009年
②舟田正之,金井貴嗣,泉水文雄編『別冊ジュリスト 199 経済法判例・審決百選』有斐閣、2010年

※①は必要に応じてたまに講義でも用いるが、購入の是否はご自身で判断されたい。②も講義で用いることがあり、自身の予習復習にとって便利であるため、もっておいて損はないと思われる。

成績評価方法 (1)平常点(討論における発言等や起案の評価による総合点)50%
(おおむね起案提出による評価が中心を占める)

(2)学期末試験50%
 
以上の割合で、(1)(2)の結果を総合して評価を行う。評価に際しては、論理的な筋道に沿って思考過程を文章で表現し、妥当な結論を導くことができるかどうかを重視する。

無断欠席は、理由の如何を問わず、成績評価に著しい影響を及ぼす。
期限徒過後の起案提出は原則として認めない。
履修条件 なし
その他の注意 ●経済法は、初学者にとって、他の主要法律科目とは異質の思考方法をとると感じる人が多いので、向き不向きが大きいと思われる。試験範囲が狭いことを期待して安易に履修することはお勧めしない。講義だけに頼らない十分な自学自習時間が取れる人に受講を勧める。
●受講予定者で、まだ一度も担当者と面談したことのない者は、一度、メール等で担当者と連絡をとられたい。
●受講者の学修の進捗状況は、担当者との随時の個別面談を通じて、適宜フォローアップを行う。
●事前の連絡なき欠席は、無断欠席として取り扱うので注意すること。

●オブザーバー参加者(経済法Ⅰのみの受講予定・希望者も含む)は、開講前に担当者までメールで必ず連絡し、必要な学習上の指導を事前に受けておくこと。それがない場合の受講は認めないので注意すること。

メール:shuya.hayashi@law.nagoya-u.ac.jp

 

[講義計画]

1

経済法の全体像

 

独占禁止法における企業結合の規制基準を明らかにする。


1.「一定の取引分野」すなわち市場の画定手法を考える。
2.独禁法の基礎概念である「競争の実質的制限」について検討する。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
序 章 独占禁止法とは何か
第1章 独占禁止法理解の基礎になる概念等
第4章 企業結合規制

を読んでおく。
企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」を入手し、一通り目を通しておく。
http://www.jftc.go.jp/ma/kigyo-gl.pdf
2

独占禁止法総論

 

前回に引き続き、独占禁止法における企業結合の規制基準を明らかにする。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
序 章 独占禁止法とは何か
第1章 独占禁止法理解の基礎になる概念等
第4章 企業結合規制

を読んでおく。

企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(以下、「企業結合ガイドライン」という)を入手し、一通り目を通しておく。
http://www.jftc.go.jp/ma/kigyo-gl.pdf
3

企業結合規制(1)

 

前回に引き続き、独占禁止法における企業結合の規制基準を明らかにする。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
序 章 独占禁止法とは何か
第1章 独占禁止法理解の基礎になる概念等
第4章 企業結合規制

を読んでおく。

企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(以下、「企業結合ガイドライン」という)を入手し、一通り目を通しておく。
http://www.jftc.go.jp/ma/kigyo-gl.pdf


「ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
4

企業結合規制(2)

 

前回に引き続き、独占禁止法における企業結合の規制基準を明らかにする。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
序 章 独占禁止法とは何か
第1章 独占禁止法理解の基礎になる概念等
第4章 企業結合規制

を読んでおく。

企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(以下、「企業結合ガイドライン」という)を入手し、一通り目を通しておく。
http://www.jftc.go.jp/ma/kigyo-gl.pdf

「ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
5

企業結合規制(3)

 

一、前回に引き続き、独占禁止法における企業結合の規制基準、特に垂直・混合合併の規制基準、企業結合による効率性の評価、および経営破綻企業との企業結合について、検討する。

二、企業結合の手続法について概観する。http://www.jftc.go.jp/ma/jizen-gl.pdf

三、なお、一般集中規制および独占的状態の規制は講義では扱わないので、教科書でひととおり内容を把握しておくこと。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
序 章 独占禁止法とは何か
第1章 独占禁止法理解の基礎になる概念等
第4章 企業結合規制

を読んでおく。

企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(以下、「企業結合ガイドライン」という)を入手し、一通り目を通しておく。
http://www.jftc.go.jp/ma/kigyo-gl.pdf

「ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。

6

私的独占(1)

 

一、排除型私的独占規制の概要とその意義を明らかにする。

二、ケースを中心に検討することで、条文からでは掴みにくい私的独占規制の実像を明らかにする。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
第3章 私的独占の禁止
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については資料に掲げたケースにつき、この順序に沿って、すべて扱う。

なお、事案は頭に入っているものとして、授業では、時間の都合では、いきなりケースブックの質問の解答に入っていくので、十分に余裕をみて、予習に当たられたい。

事案の概略は添付の資料を活用されたい。

この回では、北海道新聞社事件までとする。

7

私的独占(2)

 

引き続き、排除型私的独占の規制基準を明らかにするとともに、支配型私的独占の内容を検討する。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
第3章 私的独占の禁止
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については資料に掲げたケースにつき、この順序に沿って、すべて扱う。

なお、事案は頭に入っているものとして、授業では、時間の都合では、いきなりケースブックの質問の解答に入っていくので、十分に余裕をみて、予習に当たられたい。

この回では、有線ブロード事件から最後までとする。

起案の検討も行う。

8

不当な取引の制限(1)

 

不当な取引制限規制につき,その概要と共同行為性を中心に検討する。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
第2章 不当な取引制限等の規制
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。

9

不当な取引の制限(2)

 

引き続き、不当な取引制限の実体的規制基準について、明らかにする。 予習:
『リーガルクエスト経済法』
第2章 不当な取引制限等の規制
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
10

不当な取引の制限(3)

 

引き続き、不当な取引制限の規制基準について、明らかにし、課徴金制度をはじめとする一連のエンフォースメントについても検討する。 予習:
『リーガルクエスト経済法』
第2章 不当な取引制限等の規制
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
11

不当な取引の制限(4)および事業者団体の活動規制

 

非ハードコアカルテルとしてのいわゆる業務提携に関する規制基準と事業者団体の規制について検討する。 予習:
『リーガルクエスト経済法』
第2章 不当な取引制限等の規制
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
12

独占禁止法と知的財産権

 

知的財産権と独占禁止法の交錯を取り上げ、独禁法21条の規律内容について検討する。 予習:
『リーガルクエスト経済法』
第7章 知的財産権と独占禁止法
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
13

国際取引と独占禁止法

独占禁止法の射程と限界

国際取引における独禁法の規律とその適用範囲について検討する。

 

独占禁止法とセクタースペシフィックな経済法的規制の交錯と限界について検討する。

予習:
『リーガルクエスト経済法』
第8章 独占禁止法はどこまで及ぶか
を読んでおく。

ケースブックの予習箇所については授業時に指示する。
14

「情報通信分野をめぐる経済法的論点」(1)


総務省から講師を招聘し、情報通信分野をめぐる競争に関連する経済法的論点について検討する。

予習:
「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」Ⅰ、Ⅱを読んでおく。

15

「情報通信分野をめぐる経済法的論点」(2)

前回に引き続き、総務省から講師を招聘し、情報通信分野をめぐる競争に関連する経済法的論点について検討する。

予習:
「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」Ⅰ、Ⅱを読んでおく。

16 期末試験・講評

論述式試験を行う。
六法貸与、持込不可

※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/TKKRTW

Assignments Summary:

日付 詳細