コース要綱

:(9300075)先端担保法

[講義基本情報]

教員: 池田 雅則
その他の教員:
科目種別: 展開先端
開講時期: 春学期
対象年次: 3年(2年コース2年)
開講時限: 火2
単位数: 2
必修の有無: 選択
教室:

 

講義概要  現代の取引社会において担保は与信を回収するために重要な手段となっており,取引社会においては,使い勝手のよい担保手法が常に求められている。他方で,担保は与信者の都合のためにのみ存在するものではなく,受信者あるいは受信者をめぐる取引関係にある第三者にも影響を及ぼすものであるため,それらの利益をも考慮する必要がある。さらに,従来の判例理論や民法学の体系との整合性も当然に必要とされている。これら様々な要素を踏まえて現在の担保法は不断に更新されつつ,機能している。
 本授業においては,担保法をめぐる新たな動きを把握するとともに,担保に関する判例法の展開を踏まえて,現在の担保法の機能や課題を考察するものである。
 授業では,裁判例や文献などを素材に,担保法の現在の姿を把握し,考察する。そのため,受講生は,あらかじめ裁判例等の素材を検討した上で,授業においてはそれをもとに展開する双方向形式となる。
到達目標 (1)担保法の制度に関する基礎的事項を正確に理解できる。
(2)実務における現在および新たな担保法をめぐる問題状況について理解できる。
(3)担保をめぐる具体的な紛争事案につき論理的に法律論を展開できる。
(4)取引形態の進展に応じた,あるべき担保法の制度,解釈論を展望できる。
教科書 特定の教科書は用いない。適宜、指定された参考文献を参照すること。
参考書・参考資料 内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』(東京大学出版会,第3版,2005)
平野裕之・古積健三郎・田髙寛貴『民法3』(有斐閣,第2版,2005)
近江幸治『民法講義Ⅲ』(成文堂,第2版,2005)
道垣内弘人『担保物権法』(有斐閣,第3版,2008)
生熊長幸『担保物権法』(三省堂,2013)
成績評価方法 討論における発言等によって30%,学期末試験によって70%の各割合による総合評価による。

*討論における発言等については,ソクラテスメソッドによる発言・討論の状況をみて,到達目標(1)について高い達成度にあること,到達目標(2)について理解できていることを前提として,到達目標(3)および(4)についての達成度を判断する。
*学期末試験においては事例問題や事項説明等の形式をとって,到達目標(1)~(4)の達成度を総合的に判断する。
履修条件 民法基礎Ⅵ(旧民法基礎Ⅴ)を履修していること。
その他の注意 やむをえず欠席をする場合には、事前にメールで連絡をすること。無断欠席は成績評価で考慮される。

 

1 担保物権法の現在(4/11)  近年の担保物権法領域での改正の内容を確認し,どのような課題を解決しようと改正が行われてきたのかを確認する。  資料を確認し,近年の担保法の改正の内容を確認する。

2 物上代位による担保の拡大とその限界(4/18)  物上代位をめぐる最近の裁判例を取り上げ,その内容を確認するとともに,その限界点を探る。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
3 担保権侵害と担保価値維持義務(4/25)  担保権侵害に対する担保権者の対抗措置と,債務者(担保権設定者)の負う担保価値維持義務の内容を確認した上で,ABLなどで用いられる流動資産担保における関係当事者間の課題を明らかにする。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
4 ABLにおける担保の役割(5/2)  近年普及しつつあるABLにおいて担保がどのような役割を果たしているのかを確認し,その課題を明らかにする。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
5 商品流通における実効的な担保(5/9)  商品流通の世界における実効的な担保とは何かという観点から,所有権留保・動産売買先取特権を取り上げ,それぞれの内容を確認するとともに,その課題を明らかにする。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
6 動産をめぐる担保の競合(5/16) 動産,とりわけ在庫商品をめぐって複数の債権者が対立する場合に、どのような規律によってその競合を解決しているのか。また,その解決を踏まえて,債権者はどのような担保をさらに取得することになるのか,など異種類の担保競合をめぐる課題について検討する。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
7 人的担保の課題(1)
―保証の現状と課題―(5/23)
 機関保証の整備等に伴い,その有用性が再認識されつつある人的担保(保証)について,2005年改正法の内容を確認するとともに,現在の課題を明らかにする。  文献を事前に検討し,文献の問題提起を理解する。
8 人的担保の課題(2)
―保証類似の各種契約の現在―(5/30)
 保証類似の契約として,併存的債務引受,経営指導念書,損害担保契約,保証ファクタリングなどの内容を確認し,保証との相違点を理解する。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。

9 一括支払システムと多数当事者間相殺・電子記録債権法(6/6)  新たな決済手段として登場してきた一括支払システムと多数当事者間相殺,電子記録債権の内容を確認するとともに,その担保的な利用の可能性を探り,さらにそれらの課題を明らかにする。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
10 建物建築請負人の敷地に関する留置権(6/13)  建物建築請負人が敷地に対して留置権を有するのかをめぐる近年の裁判例を確認し,土地抵当権者との利害調整のあり方や建物建築請負人の代金債権の確保手段について考察する。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
11 企業取引における担保Ⅰ(6/20)  企業に対する新たな融資・担保の形態である信託やSPCなどを用いるストラクチャード・ファイナンスを取り上げ,企業取引における担保の動向を考察する。  文献を事前に検討し,文献の問題提起を理解する。
12 企業取引における担保Ⅱ(6/27)   企業に対する新たな融資・担保の形態であるプロジェクトファイナンスや企業再生のために用いられるDIPファイナンスを取り上げ,企業取引における担保の動向を考察する。  文献を事前に検討する。文献の問題提起を理解する。
13 担保権の実行と破産・再生管財人との関係(7/4)  非典型担保と担保権消滅請求制度との関係について,現行法における担保権消滅請求制度の概要を確認した上で,その非典型担保への拡大の是非について検討する。  課題判例,文献を事前に検討する。判例は,事案,争点,結論をまとめ,文献の問題提起を理解する。
14 預金口座の担保化の可能性と課題(7/11)  預金口座を対象とした担保制度の現状を確認するとともに,その課題を明らかにする。 文献を事前に検討し,文献の問題提起を理解する。 

15 知的財産担保の可能性と課題(7/18)  知的財産を対象とした担保制度の現状を確認するとともに,その課題を明らかにする。 文献を事前に検討し,文献の問題提起を理解する。
16 期末試験・講評  期末試験および講評を実施する。授業をふまえて,諸制度を有機的に関連づけながら担保法の全体像を描けるようにすることが期待される。  テストの準備として,全範囲にわたって十分に復習をすることが求められる。

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/8BYEWK

Assignments Summary:

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