コース要綱

:(9300074)現代刑事司法論

[講義基本情報]

教員: 宮木康博、齊藤彰子
その他の教員:
科目種別: 展開先端
開講時期: 春学期
対象年次: 3年(2年コース2年)
開講時限: 月4
単位数: 2
必修の有無: 選択
教室:

 

講義概要  刑事司法制度が直面している現代的な問題を扱う。裁判員裁判制度、被害者の訴訟参加、医療と刑事法の関わり等について講述する。検察官、弁護士、医学系教員等、当該各分野の専門家の協力を得て運営する。
到達目標 (1)裁判員裁判制度について理解する。
(2)被害者の訴訟参加について理解する。
(3)医療・医学と刑事法の関わりについて理解する。
(4)医療・医学に関しては、特に法医学、法精神医学及び生命倫理の基礎について理解する。
(5)以上の理解に基づき、刑事司法制度が直面している現代的な問題について思索を深める。
教科書  各回の講義内容欄、資料欄等を参照のこと。
参考書・参考資料  同上。
成績評価方法  定期試験50点、第10回・11回に予定されているディベート40点(配分は講義内容参照)、各講義における発言10点。
履修条件  刑法基礎ⅠⅡ、刑法演習ⅠⅡ、刑事訴訟法ⅠⅡの単位を取得済みであること。2年コースの学生は、刑法基礎ⅠⅡにつき単位取得済みと見做す。
その他の注意  2010年度以前に入学した者は履修不可。
 外部担当者の関係上、日程が変更になることがある。
 

 

1 導入、刑事司法への被害者参加(1)
(宮木)

4月10日
講義全体の流れにつき、担当者で説明した上で、研究者の立場から、1990年代半ば以降は議論が活発化するとともに、関連立法も相次いでいる刑事司法と犯罪被害者との関わりについて概説する。
検察・弁護双方の視点からのアプローチを検討する足掛かりとして、とりわけ、刑事司法への被害者参加を中心に取り扱う予定である。
また、第10・11回目に予定されているディベートに向けて班分けを行う。
<参考文献>
◇川出敏裕「犯罪被害者の刑事手続への参加」刑事法ジャーナル9号(2007)14頁
◇堀江慎司「刑事裁判への被害者参加の制度についての覚書」法学論叢162号(2008)243頁
◇拙稿「犯罪被害者支援の史的変遷と今後の方向性」笠原俊宏編『日本法の論点 第2巻』(文眞堂、2012)63頁


2 刑事司法への被害者参加(2)
(派遣検察官)

4月17日
検察実務の視点から、被害者参加制度の導入にいかに対応しているかを概説する。
本制度では、検察官に対し、犯罪被害者に配慮し、犯罪被害者と裁判所とをつないだり、犯罪被害者自身および付添い弁護人との事前・事後連絡を充実させるなど、その役割に変化が求められている。
講義では、それらの点を中心に検討する予定である。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
3 裁判員制度(1)
(派遣検察官)

4月24日
検察実務の視点から、裁判員裁判の導入により、従来の職業裁判官のみによる裁判から変化した点を中心に概説する。
なかでも、公判前整理手続が導入された点や冒頭陳述、論告、証拠作成(供述調書など)の変化を中心に検討する予定である。
<参考文献>
◇高嶋智光「検察官の立場から(裁判員制度の実施に向けて」刑事法ジャーナル10号(2008)77頁、同11号69頁、同12号37頁
◇上冨敏伸・八澤健三郎「検察官の立場から(裁判員制度の実施に向けて(5)裁判員裁判における審理の在り方)刑事法ジャーナル13号(2008)49頁
4

裁判員制度(2)
(宮木)

5月1日

裁判員制度について、現況を分析・検討する。

 

<参考文献>
◇最決平成27年2月3日裁時1621号1頁
◇最決平成27年2月3日裁時1621号4頁
◇最決平成27年2月9日公刊物未登載
5

刑事司法への被害者参加(3)
(全国被害者支援ネットワーク派遣講師、宮木)

5月8日

犯罪被害者の方および支援員の方をお招きして、現況をお話していただく。

 

6 精神鑑定1(入谷)

5月15日
いわゆる触法精神障害者の処遇や治療に関しては、精神科医療のなかでもさまざまな議論があり、その責任能力の評価方法や妥当性、事件の疾病性や事例性の問題、治療の場や処遇方法の問題などの課題を内在している。
日本の精神科医療の歴史を概観し、司法精神医学の現在の問題点を概説する。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
7 精神鑑定2(安田)

5月22日
近時の最高裁判例(最判平成20年4月25日(刑集62巻5号1559頁)、最決平成21年12月8日(刑集63巻11号2829頁))を踏まえ、実体法の見地から、責任能力の判断枠組み、ならびに、精神鑑定に求められる内容につき検討を行う。 事前にレジュメの内容をざっとでも予習しておいて頂きたい。
8 精神鑑定3
(入谷)

5月29日
触法精神障害者のうち重大な犯罪に関しては、2005年から施行されたいわゆる医療観察法が適用されうるようになった。これもいくつかの問題点があきらかになってきている。医療観察法の運用実態と精神科臨床での鑑定実態とその問題点を示す予定である。講義は、パワーポイントを中心におこないそれを資料(配布)として使用する予定である。 <参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
9 新たな捜新たな捜査手法(石井)

6月5日
1. DNA鑑定の概要を理解する
2. DNA鑑定の有用性と限界を理解する。
3. 鑑定事例における科学的問題点について理解する。
4. 中毒診断のための薬物測定の原理を理解する。
5. 中毒の症例を基に法医学で何がわかり何がわからないかを理解する。

<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。

 資料に目を通して下さい。
講義中に追加資料を指定することがあります。

10 安楽死と尊厳死(ディベート1)
(齊藤)

6月12日
 安楽死・尊厳死という、解釈論上のみならず立法政策上も喫緊の社会的重要性を帯びる問題についての理論的見識を深めると同時に、対峙する側の主張を正しく理解して迅速に批判・反批判を立論・表現するという、実務法曹に不可欠の能力の強化訓練を積むことを図る。 ◇各グループごとに報告の準備を行うこと

<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
11 安楽死と尊厳死(ディベート2)
(齊藤)

6月19日
2つのグループに分かれて、一方は安楽死について、他方は尊厳死について、それぞれ、その定義、現行法の解釈としてはどのように処理されるか、立法政策としてどのような取り扱いが妥当か、判例の立場、学説の対立、私見等につき、15~20分程度の報告を行ってもらう。その後、各グループごとに、他方グループの報告に対する質問、批判、さらに、それに対する回答、反論を考える時間をとりつつ、ディベートを進めていく。
 ※ディベート評価の内訳(報告16点、質疑・批判12点、回答・反論12点)
◇各グループごとに報告の準備を行うこと

<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
12 日本における検視と解剖システム(石井)

6月26日
1. ヒトの死後の取り扱いと必要な法規等について理解する。
2. わが国における検視制度の特徴と運用上の問題点を理解する。
3. 異状死体届け出の問題点について考える。
4. 検視制度と臓器移植の関わりを理解する。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
13 尊厳死と安楽死(石井)

7月3日
1. 尊厳死と安楽死の定義について理解する。
2. 尊厳死宣言書や事前指示書への医療の現場の対応を理解する。
3. 実例を基に尊厳死や安楽死の問題点を考える。
4. 生命倫理の基礎について理解する。
5. 病院内倫理委員会(HEC)の役割を理解する。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
14 ヒトの死と脳死(石井)

7月10日
1. ヒトの死の定義と判定について理解する。
2. 日本における脳死問題の論争の経過をたどる。
3. 臓器移植法でどのような解決が図られたか理解する。
4. 臓器移植法の改正とその問題点について考えてみる。
5. 日本の臓器移植の現状を理解し、あるべき形について考察する。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
15 医療事故と医療過誤(石井)

7月24日
1. 医療におけるインフォームド・コンセントの法的意義と運用を理解する。
2. 医療過誤と医療事故の現状を理解する。
3. 日本では医療過誤で刑事責任が問われることが多いのはなぜか考えてみる。
4. 実例を基に医療過誤の再発防止の方策について考える。
<参考文献>
適宜講義中に指示することがある。
16 期末試験・講評(石井)

 

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/D38KA8

Assignments Summary:

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