コース要綱

:(9300007)行政法演習Ⅰ

[講義基本情報]

教員: 下山 憲治
その他の教員:  
科目種別: 法律基本 公法系
開講時期: 春学期
対象年次: 2年(2年コース1年)
開講時限: 火2
単位数: 2
必修の有無: 必修
教室: 911

 

講義概要 行政法の基礎知識(未修1年行政法基礎ⅠⅡ相当)を確認検証するとともに、より実践的な角度からこれらを深め、総合化するため、特に救済法分野を詳細に学ぶ。
到達目標

履修段階の評価基準の大まかな内容は、相互に関連するものもあるが、次のとおりである。
 ①行政法総論及び救済法における基本概念を理解し、具体的事例の問題点と関連付けられること。
 ②重要な法律と条文を理解していること。
 ③事例ごとの主要な法的争点をあげることができること。
 ④各争点にあわせて適切な法条を選択し、当てはめ、問題を解決できること。
 なお、上記「基本概念」や「重要な法律」、法的争点等については、授業で指摘するほか、法科大学院共通的到達目標(コア・カリキュラム)第二次案が参考になる(http://www.congre.co.jp/core-curriculum/index.html)。

教科書 特に指定しない。また特定の演習書も用いず、教材はそのつど掲示する。
参考書・参考資料 司法試験を念頭に置いた標準的な演習書として、以下がある。これらの一冊を自習の際に読んで、①事例をよく理解し対応能力を高める、②論点の発見能力を高める、③法令と事実から構成力を高める等に役立てるのがよい。その意味で、多くの事例に当たることは大変良いことである。演習書に掲載されている事例は、標準的なものばかりで、司法試験ではさらにプラスアルファが求められるので、能力の着実な進歩が自分で確認できるようにしなければならない。
 (標準的とされる演習書)
ア.曽和俊文他編著「事例研究行政法(第3版)」(日本評論社)
イ.高木光他「ケースブック行政法(第5版)」(弘文堂)
ウ.大貫裕之他「行政法事案解析の手法(第2版)」(日本評論社)
エ.榊原秀訓他編「判例から考える行政救済法」(日本評論社)
オ.北村和生・深澤龍一郎他『事例から行政法を考える』(有斐閣)
 コピーと自分のノートでオリジナル版を作るくらいのつもりがよい。これらは繰り返し読むものであって、一回読めばよいというものではない。
  百選を中心に起きつつ、行政訴訟に関するあたらしい判例は次々と出るので、重判、判時等を自分でチェックすること。
成績評価方法

レポート(20点)、平常点(20点)、および学期末試験(60点)で評価する。レポート及び学期末試験は、到達目標に照らして評価する。具体的には、到達目標の①・②を踏まえ、③・④に重点をおく。ただし、出題の難易度等の影響が大きくならないように調整する。
 レポート課題は授業中に指示する。

履修条件 なし
その他の注意 (1)欠席者は、やむをえない場合を除き授業時間までに理由を付してメール等で届を出さなければならない。
(2)この科目は、さしあたりは救済法の枠組みに従って進行し、総論部分の知識もチェックする。
(3)授業の進行は、毎回基本的な知識の確認(あらかじめ示される質問項目)から始まり、下級審判決を念頭に置いた初歩的~応用問題的な事例が素材になるので、十分な予習が必要である。

 

1

行政法の基本思考と行政不服審査

4/11

1.この科目の概要と授業の進め方。
2.共通的な到達目標について。
3.行政不服審査の基本問題を理解する。

1.未修コースの者は、行政法基礎ⅠⅡ相当部分の復習をしておく。
2.「共通的な到達目標について」を事前に見ておく(この文書は、法科大学院協会のHPに掲示されている「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」のことです)。
3.何を求め、争うのか(争点の抽出と形成)、それをどのように争うのか(争訟手段の選択)という観点から、行政法を考える。

2

行政不服審査と行政訴訟

4/18

1.行政不服審査の重要判例
2.不服申立ての対象となる処分と申立て手続の構造
 (1)申立ての相手方の法的地位と申立て期間
 (2)処分の性質と教示

1.行審法・行訴法の関連条文のチェック

2.資料を読んで、紛争→不服審査→訴訟のプロセスの理解

3.裁決固有の瑕疵の確認

 

3

行政訴訟(1)行政訴訟の基本事項

4/25

1.行政訴訟法の基本問題を理解しているかを自己検証する。
2.行政法における法律上の争訟はどのような事例で問題になるか。
3.行政事件と民事事件とはどのような位置関係にあるか。

1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
4

行政訴訟(2)行政訴訟の諸類型と訴訟選択

5/02

1.行政訴訟類型を事例に即して理解する。
 行訴法はどのような構造になっているのか、訴訟類型にはどのような違いがあるのか。
2.事例に応じて訴訟類型を活用できるようになる。
 どんな訴訟を起こすか、何を請求するか。

 

1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
5 行政訴訟(3)取消訴訟の要件①5/09

1.取消訴訟の諸要件の基本理解の検証。
 ⑴処分性
 ⑵原告適格
 ⑶訴えの利益

1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
6 行政訴訟(4)取消訴訟の要件②5/16 1.取消訴訟の諸要件の基本理解検証の続き
 (1)被告適格
 (2)管轄
 (3)出訴期間
 (4)訴えの変更と併合
 (5)訴訟参加
2.知識の検証と訓練
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
7 行政訴訟(5)その他の抗告訴訟(義務付け訴訟まで)5/23 1.その他の抗告訴訟
 (1)無効等確認訴訟
 (2)不作為の違法確認訴訟
 (3)義務付け訴訟
 (4)差止め訴訟
2当事者訴訟
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
8

行政訴訟(6)差止訴訟と当事者訴訟

5/30

1.差止訴訟
2.当事者訴訟
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.事前に掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
9

行政訴訟(7)仮の救済

6/06

1.執行停止
2.仮の義務付け
3.仮の差止め
4.民事保全
1.行訴法の該当条文を丁寧にみる。25条は旧法と見比べる。
2.事案を見てみる。
10

国家補償と損失補償6/13

1.国家補償の観念
2.財産権規制と補償についての憲法と法律の仕組みをみる。
3.土地収用法の仕組みを十分理解する。
4.紛争事例と争点をみる。
1.国家補償・損失補償の仕組みについての基本知識を確認しておく。
2.掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
11

国家賠償法⑴

6/20

1.国家賠償の観念
2.国家賠償の体系についての基本問題を理解しているかを検証する。
 (1)民法の適用
 (2)他の法律の適用
3.隠れた重要問題を考える。
 (1)相互保証主義の適用
 (2)なお従前の例によるの意義
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
12

国家賠償法⑵

6/27

1.国賠における責任主体。
2.国賠における公権力の行使。
3.国賠における公務員。
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
13

国家賠償法⑶

7/04

1.国賠1条の基本問題を理解しているかを検証する。
 (1)国賠違法
 (2)国賠過失
2.損害論と保護利益をどう考えるか。
3.国賠における私人の地位にどのような論点があるか。
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
14 国家賠償法⑷
7/11
1.国賠2条における瑕疵は、具体的事件においてどのように観念されているか。
2.供用関連瑕疵をめぐる判例と構成の仕方。
1.テーマに関連する判例を研究しておく。
2.掲示した授業資料を熟読して自己の学力と課題を確認しておく。
15

違法性の判断方法

7/18

1.法令違法と裁量違法の区別
2.裁量違法の構成の仕方
3.行政裁量をめぐる判例の検討
事例をもとにすすめるので予習を怠らないこと。
16 期末試験実施 実施された中間期末試験問題や講評を掲示する。

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/BYJ3XW

Assignments Summary:

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