コース要綱

1個人情報保護制度の基本的事項を検討する。(9300005)行政法基礎Ⅰ

[講義基本情報]

教員: 稲葉 一将
その他の教員:
科目種別: 法律基本 公法系
開講時期: 春学期
対象年次: 1年(3年コースのみ)
開講時限: 木2
単位数: 2
必修の有無: 必修
教室:

 

講義概要 1 目的
 本授業は、主権者である国民と行政との関わり、生じた紛争の法的解決のための法制度を学ぶと共に、今後の法曹を担うものとして必要な行政法(行政組織法・手続法・作用法)に関わる基本知識、法の解釈と問題解決能力の修得・育成を図ることを目的とする。
 国・自治体(特に、行政機関)は、本来、国民・住民の自由権を制限するとともに権利利益の実現のためだけに存在する。このような行政の主として活動が、どのような法原理に基づいて授権され、限界づけられ、どのような法制度において統制されるべきであるのかを理解できれば、この授業の目標の大半は達成されることになる。
2 授業の方法
 この授業では、行政の組織と活動にかかわる一般的な法的諸問題を個別的な事例に即して具体的に学ぶ。具体例は、比較的簡易な法関係だけではなく複雑な利害関係まで論及される。本授業では、対話方式・質疑応答方式などを組み合わせた進行を予定しているため、受講者があらかじめ、この授業に関する教科書類の該当部分や関係する主要判例(主に本案部分)の下読みをしていることを前提とする。その際に、いかなる事実関係の下で、いかなる法条のいかなる要件に当てはめて、法的評価をすべきかに注意してほしい。
 なお、授業の進行は、「要綱」の記載に沿って行われるが、受講者の要望や理解度等に応じて、変更する場合がある。したがって、1授業につき1回では必ずしもない。
 なお、この授業は、「法科大学院における共通的な到達目標」を踏まえて、具体的な授業内容を設定している。
到達目標  未修1年生前期段階の評価基準の大まかな内容は、相互に関連するものもあるが、次のとおりである。
 ①行政法概論部分における基本概念を理解していること。
 ②重要な法律と条文を理解していること。
 ③事例ごとの主要な法的争点をあげることができる素養があること。
 ④各争点にあわせて適切な法条を選択し、当てはめ、問題を解決できる素養があること。
 なお、上記「基本概念」や「重要な法律」、法的争点等については、授業で指摘するほか、法科大学院共通的到達目標(コア・カリキュラム)第二次案が参考になる(http://www.congre.co.jp/core-curriculum/index.html)。


教科書 指定しないので各自購入した教科書を使用してください(下記の参考書を参照)。

参考書・参考資料  行政法総論部分を扱うものとしては、たとえば、宇賀克也『行政法概説Ⅰ』(有斐閣)、塩野宏『行政法Ⅰ』(有斐閣)、芝池義一『行政法総論講義』(有斐閣)がある。また、行政救済法等も関連するので、関係参考文献として、宇賀克也『行政法概説Ⅱ』(有斐閣)、塩野宏『行政法Ⅱ』(有斐閣)及び『行政法Ⅲ』(有斐閣)、芝池義一『行政救済法講義』(有斐閣)。
 その他、稲葉馨他『行政法』(有斐閣)、曽和俊文他『現代行政法入門』(有斐閣)、芝池義一『行政法読本』(有斐閣)、桜井・橋本『行政法』(弘文堂)等がある。
 別冊ジュリスト行政判例百選ⅠⅡ(第6版)は、参考書であるが必須。
 以上の他、必要に応じて、適宜指示する。また、それぞれの項目における教材は適宜配布する。

成績評価方法

 授業時の準備状況・発言内容・レポートの内容等の平常点(30%)、期末試験(70%)により総合的に評価する(計100%)。
 期末試験では、授業内容について、基本的な法概念や基本原理などの知識の有無、理解の程度など、到達目標に照らして評価する。具体的には、到達目標の①・②を踏まえ、③・④に重点をおく。ただし、出題の難易度等の影響が大きくならないように調整する。

履修条件 特になし
その他の注意  読み・書き・話す学修プロセスを重視するので、レジュメを使用しない。
 具体的事例をできるだけとりあげる。そして、双方向・多方向のコミュニケーションを図れるよう進行するので、教科書類の読み込みなど、予習には時間をかけてほしい。
 六法(取り扱う事例で登場する法令等は必ず、読んで、制度など理解しておくこと)、判決例(必ず、原文を読んでおくこと。百選で済ませようと安易に考えると、授業で答えられなくなる)は、十分な読み込みが必要である。

 

1 日本行政法の歴史と基本原理
4/6
1日本行政法の歴史を概観する。2いくつかの特徴的な行政領域を挙げながら、法治主義を中心とする基本原理をとりあげる。 教科書の該当頁は必ず丁寧に目を通しておくこと、授業終了直後にあらためて読み直すこと(以上、各回において同じ)。
とくに純粋未修者は、教科書の目次を熟読して、これから何を学ぶかを大まかに理解しておくこと。
2 行政組織法
4/13
1国・自治体と行政機関との概念の違いを説明する。2機関相互間の関係などの法的問題と今後の課題をあつかう。

内閣法、国家行政組織法等の法律の規定をみておくこと。処分性、法律上の争訟という用語の解説をみておくこと。
3 適正手続と行政手続法
4/20
1適正手続の必要性を説明する。2行政手続法の概要を説明する。 行政手続法だけではなく、個別法の手続規定を概観しておき、多様な行政活動に即して行政手続の個別的具体的なあり方をおおまかに理解しておくこと。
4 行政情報法(個人情報保護、情報公開)
4/27

1個人情報保護制度を説明する。2情報公開制度の概要を説明する。 国と地方の法制度を調べておくこと。
5 行政裁量
5/11
1行政裁量の意義、その存在形態、種類とともに、2行政裁量の司法審査の方式・基準について検討する。

行政活動の適法・違法性判断について、基本的な考え方を示すので、教科書類や判決例を読んで、十分な予習をしておくこと。
6 行政計画(計画策定手続論を含む)
5/18
行政計画の意義と特性、内容の分類と紛争が生じた場合の違法性判断について検討する。

行政計画が各領域において果している役割、コントロール手段及びその有効性について論じる。

7 行政準則(意見公募手続を含む)
5/25
1行政準則の意義と必要性、2法規命令の概念とその限界、3行政規則の形式・内容について検討する。 行政準則、行政立法に関わる部分を予習しておくこと。
8

行政行為の概念とその効力          6/1

1「処分」と行政行為との違い、2行政行為の種類、効力について検討を加える。

行政行為の箇所を予習しておくこと。
9 行政行為の瑕疵(取消しと無効)と行政行為の撤回
6/8
1行政行為の無効と取消しとの相違、その原因を中心に、瑕疵論の全体像をとりあげる。2行政行為の取消しと撤回との相違、撤回の法的根拠の要否を説明する。 行政行為の箇所を予習しておくこと。
10 行政行為の手続
6/15
1申請に対する処分手続、2不利益処分手続について検討を加える。 行政手続法をみておくこと。
11

行政指導(行政指導手続を含む)

6/22

行政指導の内容・種類をふまえ、行政手続法による実体的限界と手続について検討を加える。 行政指導の箇所を予習しておくこと。行政手続法をみておくこと。
12 行政契約(契約手続論を含む)
6/29
1行政契約の意義・内容、2手続的統制、実体的適法要件について検討を加える。 行政契約の箇所を予習しておくこと。
13 行政調査
7/6
行政調査の意義や限界、実体的手続的要件を検討する。 行政調査の箇所を予習しておくこと。
14 実効性確保手段(行政上の強制執行・即時強制・義務違反に対する制裁)
7/13
行政の実効性確保手段の全体像をふまえ、行政上の強制執行、即時強制、行政上の義務違反に対する制裁の意義や機能について検討を加える。 教科書で該当する箇所を予習しておくこと。
15

まとめ

7/20

16 試験

 

※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/A369JR

Assignments Summary:

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