コース要綱

日本政治史I Japanese Political History  Ⅰ

[講義基本情報]

教員: 賀茂道子 KAMO Michiko
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅵ期
対象年次: 3年
開講時限: 金2
単位数: 2
必修の有無:
教室:

 

講義概要

テーマ:戦後レジームとは何か

本講義では、アジア・太平洋戦争に至る過程、占領改革およびサンフランシスコ講和条約を学び、「なぜ国民は戦争を支持したのか」、「国民はどのように占領改革を受け入れたのか」「戦後レジームとは何か」との問いを軸に、民主主義と戦争の関係を考察します。歴史を、政策決定者の視点だけでなく、国民の視点からも捉えるために、映像資料や当時の日記を活用しながら講義を進めます。

 

What is the postwar regime?

I will explain the process to the Asia-Pacific War, the Occupational reforms and Treaty of Peace with Japan in this class. We learn and consider democracy with the following questions, “Why the people supported the war”, “How the people accepted the occupational reforms” and “What is the postwar regime in Japan?”
In order to understand not only from the perspective of Policymakers, but also from the perspective of the people, I use video materials and diaries at that time.
到達目標

①日本の近現代政治史の専門的基礎知識を修得することで、過去と現在を総合的に判断する能力を身につける。

②占領改革によってうち立たられた「戦後レジームとは何か」について、自分なりの考察ができるようになる。

③今日の歴史認識をめぐって起こる紛争的課題について、的確に意思決定する能力を発揮できるようになる。

④歴史と現代を結びつけて発想し、自分自身で課題を発見し、それを資料等に基 づいて論証していくことを最終目標とする。
 
教科書

ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』下巻、岩波書店

(第7回から必携のため、必ず購入してください。)

賀茂道子『ウォー・ギルト・プログラムーGHQ情報教育政策の実像』法政大学出版局 

(こちらで印刷して配布します。)

参考書・参考資料

江藤潤『閉ざされた言語空間』文春文庫

福永文夫『日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄』中公新書

古関彰一『増補版 日本国憲法誕生』岩波書店

 

他、参考文献は適宜紹介します。

また、講義で必要となる部分は、こちらで印刷して配布します。

成績評価方法

コメントシート10%、課題(宿題)40%、レポート50%で総合的に評価します。課題とレポートについては、授業中に指示します。欠席が5回以上あると単位は認められません。

履修条件 日本・世界の近現代史について高校レベルの知識を必要とします。
授業時間外学習の指示 予習としてテキストを精読し、疑問点を明確にして、授業に臨んでください。
質問への対応方法 コメントシートに記入してください。次回授業で取り上げます。また、授業時間終了時にも受け付けます。
その他の注意

教科書は、ダワーに関しては購入してください。ほかは必要部分をこちらで印刷して配布します。翌週の分を配布しますので、必ず読んでおくこと。講義の進み具合と受講生の理解度によって、シラバスを改訂する場合があります。

授業中の携帯と私語、途中退出は禁止します。20分を超える遅刻は欠席とみなします。

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動

ガイダンス

講義を開始するにあたり、その進め方とねらいを示す。クラウゼヴィッツの『戦争論』を参考に、戦争とは何かについて理解を深める。

 

第一次世界大戦

第一次世界大戦は世界に衝撃を与え、戦争の概念を変えた。それが第二次世界大戦の無条件降伏につながったことを学ぶ。 

 

大戦後の国際レジーム

日本は、第一次世界大戦後の国際レジームをどのように捉えていたのか。ベルサイユ体制、不戦条約、ワシントン体制などを理解する。

予習:

第二次世界大戦の背景について整理しておくこと。

第二次世界大戦Ⅰ

第一次世界大戦から時を経ずに第二次世界大戦へと至った背景を考える。そこにあった国民の意識も併せて考察する。

 

第二次世界大戦Ⅱ

日本の敗戦は無条件降伏であったと理解されているが、無条件降伏とは何か。無条件降伏が要求された背景から考える。

 

ポツダム宣言受諾

ポツダム宣言全文を読み、戦後日本におけるポツダム宣言の位置づけを検討する。

予習:配布したポツダム宣言を読んでおくこと

日本国憲法の誕生Ⅰ

 

 

日本国憲法はGHQによる押しつけ憲法なのか。第二十四条を中心に、日本国憲法誕生までの過程を学ぶ。また、戦後の改憲議論にも言及する。

予習:ダワー下巻

第十二章「GHQが新しい国民憲章を起草する」

第十三章「アメリカの草案を日本化する」

日本国憲法の誕生Ⅱ

日本国憲法第一条を取り上げ、国民と天皇の関係に焦点を当てて、天皇制民主主義について検討する。

予習:ダワー下巻

第九章「くさびを打ち込む」

第十章「天から途中まで降りてくる」

検閲とプロパガンダⅠ

占領改革は制度改革のみならず、日本人の意識改革のための情報発信(プロパガンダ)も行われた。占領期に行われた検閲とプロパガンダについての基礎的な知識を学ぶ   

予習:ダワー下巻

第十四章「新たなタブーを取り締まる」

賀茂『ウォー・ギルト・グラム』(必要部分を配布します)

10

 

検閲とプロパガンダⅡ

検閲とプロパガンダⅠで学んだ基礎知識を基に、「日本人は洗脳されたのか」という言説について議論する。

 

予習:賀茂『ウォー・ギルト・グラム』(必要部分を配布します)

11

東京裁判Ⅰ

初の国際軍事裁判である東京裁判は「勝者の裁き」と言われている。この裁判の背景を理解し、東京裁判によって打ち立てられた「戦後レジーム」を考察する。

映画『東京裁判』を視聴する。

予習:ダワー下巻

第十五章「勝者の裁き、敗者の裁き」

12

東京裁判Ⅱ

「東京裁判」を勝者の裁きではなく国際政治の視点から検証し、東京裁判の意義を議論する。

映画『東京裁判』を視聴する。

 

13

BC級戦犯裁判

 

BC級戦犯裁判の基礎的知識を学んだうえで、戦争犯罪に対する国際社会と日本のとらえ方の乖離を理解する。

11回から13回の総括として、歴史認識問題にも触れる。

予習:ダワー下巻

第十六章「負けた時、死者になんと言えばよいのか?」

14

サンフランシスコ講和条約

戦後日本の出発点となったサンフランシスコ講和条約について学ぶ。日本が抱える領土問題はこの条約に起因しているが、70年近くがたとうとしている現在でもなぜ解決しないのかを議論する。

 

15

総合ディスカッション

「戦後レジーム」についてのディスカッションを行う。

 

 ※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/D7JTFP

コースサマリー:

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