コース要綱

ロシア法 Russian Law

[講義基本情報]

教員: 佐藤 史人 Fumito SATO
その他の教員:
科目種別: 講義 Lecture
開講時期: 後期 Autumn semester
対象年次: 3年・4年 3rd and 4th year
開講時限: 木曜3・4限 Thursday 3rd & 4th periods
単位数: 4単位 4 credits
必修の有無:
教室:

 

 

講義概要

本講義では、現代ロシア法の特質を、憲法と司法制度を中心に概説する。体制転換期におけるロシアの重大な課題の一つは、法治国家の創出、すなわち法によって政治権力を縛るシステムを構築することにあった。そのような課題がこの四半世紀の間にどのように扱われたのかを、制度と実態の両面から検討する。
また、ロシアとの比較のため、第二次世界大戦後に社会主義圏に属していた中欧諸国(ハンガリー・ポーランド)の憲法状況についても取り上げる。
これらの作業を通じ、日本の法の特質について理解を深めるための比較材料を提供したい。

In this lecture, we will learn the characteristics of modern Russian law, focusing on the constitution and the judicial system. One of the significant challenges for Russia during the transition period was to create a rule-of-law state, that is, to build a system that binds political power by law. We examine how such issues were handled in the last quarter-century, both institutionally and in practice.
For comparison with Russia, the constitutional practice of Central European countries (Hungary and Poland), which belonged to the socialist sphere after World War II, is also discussed.
Through these works, we would like to obtain basic knowledge in order to deepen the understanding of the characteristics of Japanese law.

到達目標

日本法の特質に関する理解を深めるために、比較の素材として旧ソ連邦およびロシア連邦の法現象を取り上げ、その基礎的な知識を習得するとともに、旧ソ連、ロシア地域に関する理解を深めることを目的とする。

教科書 教科書は使用しない。授業中に必要な資料を適宜配布する。
参考書・参考資料

現代ロシア法については、小森田秋夫編『現代ロシア法』(東京大学出版会、2003年)、小田博『ロシア法』(東京大学出版会、2015年)がある。

ソ連時代は、藤田勇『概説ソビエト法』(東京大学出版会、1986年)を参照のこと。

ロシア連邦憲法の邦訳は、畑博行・小森田秋夫編『世界の憲法』第5版(有信堂高文社、2018年)所収の拙訳を、商事法は、松嶋希会『ロシア・ビジネスとロシア法』(商事法務、2017年)を参照されたい。優れた入門書としては、渋谷謙次郎『法を通してみたロシア国家』(2015年、ウェッジ)がある。

成績評価方法

学期末の筆記試験で評価する。

筆記試験を通じて、ロシア法の基礎を正しく理解しているかどうかを確認する。定期試験に欠席した者は「欠席」、出席のうえ不合格となった者は「F」とする

履修条件 憲法の講義を受講していることが望ましい。
授業時間外学習の指示 事前に配布するレジュメを予習し、専門用語の意味等をあらかじめ確認すること。
質問への対応方法 オフィスアワーを木曜5限に設ける(法学部棟2階327号室)。
その他の注意

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 イントロダクション

2020年度後期ロシア法の概要
・ロシアおよびロシア法とは何か
・ロシア法を学ぶ意義

2 帝政ロシア法史 帝政ロシアの司法制度
1.1864年のアレクサンドル二世による司法改革
2.帝政ロシアの陪審制
3 社会主義ロシアの法 1.社会主義と民衆の国家構想
2.1917年のロシア革命と法
4 同上 ソビエト型社会主義の成熟とその変容
1.所有、契約制度
2.政治体制
3.司法制度
4.ペレストロイカ期における法変動
5 体制転換とロシア法 ロシアにおける憲法体制の変動
6 ロシアの大統領制

93年憲法体制における統治機構(1)
1.大統領制

7 ロシアの議会制

93年憲法体制における統治機構(2)
2.連邦議会

8 ロシアにおける連邦制の特質

93年憲法体制における統治機構(3)
3.連邦制
・ロシアにおける連邦制の歴史的展開
・現代ロシア連邦制の特質

9 現代ロシアの裁判所1

現代ロシアの司法制度とその現状
(1)裁判所体系
(2)裁判官の独立​

10 現代ロシアの裁判所2

(3)憲法裁判所
・憲法裁判所の構成と権能

・違憲審査基準の特徴と問題

11 現代ロシアの裁判所3

(3)憲法裁判所
・近年の憲法裁判所改革とその特質

・ECHRと憲法裁判所

12 現代ロシアの裁判所4

現代ロシアの陪審裁判

13 現代ロシアの軍国主義

・「戦勝国」としての現代ロシア史
・徴兵制と代替的兵役拒否
・現代ロシアの「体験型」軍国主義?

14 旧ソ連・東欧地域の憲法

東欧諸国の憲法の動向―ハンガリー・ポーランド
・東欧革命と東欧諸国の憲法変動
・2010年代における東欧諸国の「バックラッシュ」

15 まとめ 講義の総括

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/3PMAG3

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