コース要綱

国際法各論Ⅱ International Law; Specialized Part II
[講義基本情報]

教員: 小畑 郁 OBATA Kaoru
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: 春学期
対象年次: 3年 4年
開講時限: 月曜4限
単位数: 2
必修の有無:
教室: 遠隔講義方式による。登校は控えること。

 

講義概要

※本講義履修者は、必ず、このページ末尾のリンクにて登録してください。講義進行中は「ページ」欄で資料等を提供します。

この講義では、今日「国際人権法」とよばれている領域を中心に、個人と国際法の関わりを、とくに日本の状況を意識して学修する。「国際法総論」で議論されたように、国際法には、個人に関わる規則が古くからあるが、伝統的には、国家が主体となって、国籍というリンクを通じて、自国民の保護を図るという部分で、国際法の保障があっただけであった。それはしばしば、個人の利益そのものを確保しようとしているとはいえない実態があった。それに対して、とりわけ第2次世界大戦後に発展してきた人権の国際的保障では、少なくとも制度目的としては、個人の権利そのものを確保しようとしている。

In this Lecture, it would be discussed on the relations between Individuals and International Law, in particular the issues in the field of so-called "International Human Rights Law". As discussed in the Lecture "International Law; General Part", we have traditional rules and principles relating to individuals, but only through the link of nationality, individuals had some kind of protection under International Law, implemented by national states.It often shew, in fact, protection of states interests themselves rather than those of individuals. In clear contrast with the above situations in traditional rlues and principles, international protection and promotion of human rights, developed particularly after the World War II, provide some protection of individuals' interests themselves, at least in its formal sense.  

〔講義の内容〕

この講義では、まず、国連における人権保障を、その観念的展開、政治的保障、人権条約制度に分けて議論する。続いて、地域的人権保障について、ヨーロッパを中心に検討し、国際的な人権保障のさまざまなあり方について議論する。最後に、日本における人権条約の適用について議論し、また、これまで触れてこなかった難民の国際法と日本法、ノンルフールマン原則とその日本における適用状況について、議論する。

到達目標 日本と世界において日々発生している人権問題を、法的な観点から議論できるようになる。
教科書 『ベーシック条約集』(東信堂)。ただし、2018年版以降のもの。
参考書・参考資料

・芹田健太郎・薬師寺公夫・坂元茂樹『ブリッジブック国際人権法〔第2版〕』(信山社、2017年)
・阿部浩己・今井直・藤本俊明著『テキストブック国際人権法(第3版)』(日本評論社、2009年 )
・薬師寺公夫・小畑郁・村上正直・坂元茂樹著『法科大学院ケースブック国際人権法』(日本評論社、2006年)

・家正治・小畑郁・桐山孝信編『国際機構〔第4版〕』(世界思想社、2009年)
その他、必要に応じて、適宜指示する

成績評価方法

各回の課題(1週間程度の回答期限を設ける)への回答40%。最終レポート60%。なお、各回の課題のうち、3分の2以上回答している者にのみ、最終レポート提出権を与える。(4月15日修正)

履修条件 「国際法総論」を受講済みであることが望ましい、
授業時間外学習の指示 授業計画欄において、あらかじめ指示する。一般的には、レジュメで引用の条文にあたり、資料がある限りにおいて判例をざっとみておくこと。
質問への対応方法 CANVASでの「ディスカッション」で対応する。
その他の注意 各回の講義資料は、シラバスシステム(ページ欄)に事前に掲載する。各自でプリントアウトなどして持参すること(授業時には配付しません。)
なお、「講義計画」は、講義開始までに、また、講義の進行状況などに照らして、アップデートしていきますので、定期的に確認してください。

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
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オリエンテーション

この講義の受講の仕方、国際人権法の学び方について、一通りの知識をもつ。

参考資料国際人権法の学び方・調べ方.docx

『ベーシック条約集』(2018年版以降)を準備しておくこと。
2

国連における人権の保障(1)

国連憲章における人権の位置づけについて考える。現在の国連人権機関がどのように構成されているかを理解する。国連人権理事会の組織と機能について理解し、その問題点について考える。

第2回講義レジュメ2018国連人権システム1.doc

配付資料・小畑2009「人権の保障」家ほか編『国際機構〔第4版〕』とレジュメおよび講演ppt国連人権理事会の現状と課題.pptxに目を通しておく。
3

国連における人権の保障(2)

国連人権理事会における人権保障のためのさまざまメカニズムを、おのおのの制度を理解し、性格を考える。現状の問題点を考える。

第3回講義レジュメ2018国連人権システム2.docx

4

国連人権観念の展開

 

国連における人権観念の歴史を概括的に理解できるようになる。人権観念をめぐる主な論点について、議論できるようになる

※第4回講義レジュメ2018国連人権観念の展開-1.doc

Sシリーズ、配布文献(小畑「人権の保障)の関連箇所を読み、さらに年表2018人権年表-1.docを参照して、流れを頭に入れておく。
5

国連人権条約(1)

国連における人権諸条約の実施措置のパターンを理解する。自由権規約の政府報告書審査について、その実態を理解し、法的問題点について議論できるようになる。

第5回講義レジュメ2018国連人権条約1.doc

自由権規約委員会による日本政府第6回報告についての総括所見自由権規約委員会総括所見日本第6回.pdfを読んでおく。
6

国連人権条約(2)

 

自由権規約の個人通報手続について、その手続的問題を理解する。その意義について議論できるようにする。

第6回講義レジュメ2018国連人権条約2.docx

クローミン事件についての自由権規約委員会の見解およびフォローアップについての資料Taro-見解・フォローアップ.pdfを読んでおく。
7

ヨーロッパ人権条約(1)

さまざまな地域人権保障システムについて、概括的な知識をもち、その中でのヨーロッパ人権条約の位置についてかんがえることができるようになる。ヨーロッパ人権条約がどのような文脈で作られたのかを理解する。

第7回講義レジュメ2018ヨーロッパ人権1.doc

8

ヨーロッパ人権条約(2)

 

ヨーロッパ人権条約の作成の文脈と原初的特徴との関連、発展の経緯、現状と問題点について考えることができるようになる。

第8回講義レジュメ2018ヨーロッパ人権2.docx

9

日本における人権条約の実施

人権条約の国内実施の前提となる、人権条約上の国家の義務について、概括的な理解を得る。日本における立法による国内実施の状況について基礎知識を得た上で、ミニマリスト的対応の基礎について考えることができるようになる。日本における裁判所による人権条約の適用について、基礎的知識を得た上で、実態を批判的に考察することができるようになる

第9回講義レジュメ2018人権の国内実施.doc

社会権規約一般的意見3Taro-社会権規約一般的意見3.pdfに目を通しておく。

レジュメに事前に目を通し、扱われている事件の概要を把握してきてくる。国内判例資料hm0901-Taro-国際人権規約国内諸判例.pdf

10

難民の国際法と日本法(1)

国際法により、あるいは国際協力により対処しなければならない難民現象とはどういうものであるか、理解する。1951年の難民条約が、上のような難民現象との関係で、どのような限界を有しているか、理解する。難民条約の外側で展開している難民に対する援助・保護の仕組みにはどのようなものがあるか理解する。現代難民法の基本構造について考えることができるようになる。

※第10回講義レジュメ2018難民1.doc

11

難民の日本法と国際法(2)

国際難民法の日本への受容の構造について理解する。難民の定義をめぐる日本の裁判例の動向を理解する。2004年の入管法改正による新たな制度について理解する。それらの制度が国際難民法との関係で有する意義について考えることができるようになる。

※第11回講義レジュメ2018難民2.doc

仮滞在についての日本の裁判例資料版東京地判20090327.pdf
12

ノンルフールマン原則(1)

ノン・ルフールマン原則について、その意味内容と関連原則との関連を説明できるようになる。国際法としてのノンルールマン原則tが、実定法上、さまざまな形態において現出していることを理解する。虐待の禁止(自由権規約7条等)にかかわるノン・ルフールマン原則のいわゆる「絶対性」について理解する。

第12回講義レジュメ.2018ノンルフールマン1.doc

13

ノンルフールマン原則(2)

ノン・ルフールマン原則を国内で実施しようと考えると、国内法上のさまざまな制度に手直しを加えないといけないことを、日本に即して理解する。退去強制における送還先を限定する入管法53条によっては、退去強制における同原則は十分には実施されないことを理解する。上陸許可制度および犯罪人引渡制度におけるノン・ルフールマン原則の(不)実施について、現状を理解する。

第13回講義レジュメ2018ノンルフールマン2.docx

14 総括 レポートを作成する レポート試験の問題と作成上の注意(暫定版)2018各論Ⅱ試験.docx
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※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/KT7HL7

コースサマリー:

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