コース要綱

国際法総論(国際法の基本構造)International Law, General Part (Basic Structure of International Law)

[講義基本情報]

教員: 水島朋則 MIZUSHIMA Tomonori
その他の教員: -
科目種別: 講義 Lecture
開講時期: Ⅳ期
対象年次: 2年
開講時限: 水1 水2
単位数: 4
必修の有無:
教室:

 

講義概要

国際法とは、「条約」と呼ばれる国の間の約束(合意)を中心とする国際社会のルールのことです。今日の国際社会を語る上で非常に重要な存在となっているのが国際連合(国連)ですが、その国連を設立した文書である国連憲章も条約(したがって国際法)の1つです。この講義では、できるだけ国際社会において実際に生じた問題を取り上げながら、国際法の基本構造を明らかにし、かつては「国の間の法」とも定義された国際法が、国際社会における国以外のアクター(個人や企業など)の活動にも大きな影響を及ぼしていることを確認します。

なお、講義は、事前課題とも関連づけたりしながら、適当な双方向性をもったものにしたいと考えていますので、当てて発言を求めることもありますが、仮に質問について正解があり得るとして(正解がない問いもたくさんあります)、間違いであるからといって評価をマイナスにすることはありません(学生の間違いは、より良い講義のために役立つことさえあります)。水島のほうが間違っていることもあるでしょうし、みなさんが「自分で考える」ためのきっかけとなるように、講義では「わざと」間違っていることを言うこともあるかもしれません。

This course is designed to examine basic principles of international law, which may be defined as rules of action which are binding upon States in their relations with one another.

到達目標

(1)国際社会において生ずるさまざまな問題について、それを国際法の観点からも分析してみるための基本的な能力を養う。

(2)国際法が国内法(日本法)や人々の活動に及ぼす影響について理解し、国際的な視野から国内法システム全体を見渡す感覚を高める。

(3)これらを通じて、「法」というものについて考えるための1つの素材を得る。

教科書

浅田正彦編『国際法(第4版)』(東信堂、2019年、2900円+税)

参考書・参考資料

適宜指示しますが、さしあたり下のものを挙げておきます。

<入門書>

 玉田大ほか『国際法』(有斐閣、2017年)

<条約集>

 小型のものとして、『コンサイス条約集』(三省堂)/『ハンディ条約集』(東信堂)

 詳しいものとして、『ベーシック条約集』(東信堂)/『国際条約集』(有斐閣)

<判例解説集>

 薬師寺公夫ほか編集代表『判例国際法(第3版)』(東信堂、2019年)

 杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例50(第2版)』(三省堂、2014年)

 小寺彰ほか編『国際法判例百選(第2版)』(有斐閣、2011年)

<参考書>

 松井芳郎ほか『国際法(第5版)』(有斐閣、2007年)

 杉原高嶺『国際法学講義(第2版)』(有斐閣、2013年)

 酒井啓亘ほか『国際法』(有斐閣、2011年)

成績評価方法

成績評価の基本的なあり方としては、上の「到達目標」に達しているか否かの判断となりますが、具体的には次のような形で評価する予定です。

各回について、事前課題(第1回を除く)および事後課題などを基に100点を上限として評価し、その平均点に基づいて最終的な成績評価を行います。欠席(また、出席はしたが課題不提出)の回は評価を0点としますが、下に書くように期末課題の評価に基づく加点はあり得ます。なお、事前・事後課題を行うにあたっての不正行為については、期末試験における不正行為と同様の対処をします。

期末課題は、欠席(課題不提出を含む)が1回〜4回の受講者を対象として行い、「期末課題の評価(100点を上限)×欠席回数」を加えた上で、評価します。

(注1)欠席のうち、法学部の追試験事由に該当するような病気その他やむを得ない事由によるものではない欠席の場合は、出席した回の平均点を、期末課題の評価に基づく加点の上限とします。

(注2)出席の確認方法は、受講者数(出席者数)なども考慮して決めますが、欠席回数が5回以上の場合には、原則として期末課題の提出を認めず、成績評価では「欠席」とします。他方で、欠席回数が1回〜4回の受講生は、予め申し出ない限り、期末課題を提出しない場合でも成績評価の対象とします(成績評価において「欠席」とはなりません)。

<参考:過去の「国際法総論」(水島)の成績分布>

2018年度:S 2 A 9 B 6 C 2 F 1

2016年度:S 2 A 7 B 8 C 5 F 1

2014年度:S 2 A 9 B 9 C 6 F 2

2012年度:S 4 A16 B12 C 7 F 3

2010年度:  優12 良 4 可 5 不可 7

2008年度:  優16 良15 可13 不可27

(いずれも「欠席」は含んでいません。成績評価方法は、2012年度以降は2020年度とほぼ同様ですが、2008年度は定期試験のみにより、2010年度は両者の中間形態[詳しくは略]によりました。)

履修条件

とくにありませんが、上の「到達目標」を理解している必要はあります。

なお、将来的に「国際法各論Ⅰ(国際経済法)」「同Ⅱ(国際人権法)」「国際組織法」(いずれも3・4年生配当)を履修する場合には、「国際法総論」を履修していることが望ましいとは思いますが、国際法(総論)に関する一通りの知識を得るだけであれば、そのための手段は名古屋大学法学部で「国際法総論」を履修する以外にもたくさんありますし、「国際法総論」の履修が必須というわけでは決してありません。関連して補足しておくと、「国際私法」は、国際法(国際私法との対比では「国際公法」と呼ばれることもあります)の一部ではなく国内法(私の考えでは、その中でも非常に重要な分野)ですので、誤解しないように注意してください。

授業時間外学習の指示

事前課題・事後課題に取り組み、NUCTを通じて提出してください。

質問への対応方法

質問には、講義後のほか、メール等で調整した日時に対応します。

その他の注意

各回の講義資料および事前課題は、NUCTを利用して2週間前には入手できるようにします。こちらで印刷したものを講義室で配付する形はとりません。

講義で取り上げる条約などの多くは、外国語(とくに英語)で作られ、条約集などに載っている日本語の条文は、ほとんどの場合、公式あるいは非公式の翻訳にすぎず、「正文」ではありません。できるだけ「正文」を前提に講義をしようと思いますので、講義資料では、原則として(英文があれば)英文のまま載せます(講義自体は日本語で行います)。翻訳(あるいは日本語が正文の条約)については、必要であれば条約集などを参照してください。

なお、講義計画は、講義開始までに、また、講義の進行状況などに照らして、適宜変更する可能性があります。

 ※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/96W9K3

コースサマリー:

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