コース要綱

憲法II(人権・憲法訴訟)Constitutional Law II        

[講義基本情報]

教員: 大河内美紀 OKOCHI Minori
その他の教員: -
科目種別: 講義 Lecture
開講時期: Ⅲ期(春学期) Spring
対象年次: 2年
開講時限: 月1 月2   Mon.1-2
単位数: 4
必修の有無:

無.  Elective course

教室:

遠隔授業の方法による。出校は控えること。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大に対応した教育活動の特例措置について

 

講義概要

 この講義では、憲法Ⅰの履修を前提として、人権分野における憲法学説・判例を概説する。違憲審査制を採用した日本国憲法の下では、人権問題の多くが裁判という場で議論されている。そのため、単に条文解釈を覚えるのではなく、現実に人権が保障されているのか/いないのかを憲法判決を通じて分析する能力を身につけることを、この講義の主題とする。
 講義では冒頭、違憲審査制の基礎知識を講じた後、通例の体系書にならい、日本国憲法の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義をする。限られた時間内で人権規定を網羅的に取り上げることはできないため、人権の中核をなす精神的自由権および平等を中心に取り扱う。その際、可能な限り、人権保障の歴史や比較憲法の知識などにも言及することで、受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自分なりにそれを分析・検討する力を身につけられるような講義にしたいと考えている。

In this course, students will be given an overview of constitutional theories and judicial precedents in the field of human rights. Under the Constitution of Japan, which adopts a system of constitutional review, many human rights issues are discussed in court. For this reason, the subject of this lecture is not merely to learn how to interpret the text, but to examine, through constitutional judgment, whether or not human rights are appropriately guaranteed.

At the beginning, students will be given a lecture on the basic knowledge of the constitutional review system. And then, students will learn on the basic problems of the interpretation of the Constitution of Japan. Because of time constraints, we will focuses on the articles concerning the freedom of expression and equality. 

到達目標

憲法Ⅰの履修を前提として、この講義を履修することで、以下の知識・能力を身に付けることができる。
①人権分野のうち、主に、精神的自由権および平等に関する基本判例を正確に理解し、その当否を考察できる。
②人権分野のうち、主に、精神的自由権および平等に関する学説を正確に理解する。
③裁判を通じた人権保障システムを正確に理解し、人権の中核をなす精神的自由権および平等に関する具体的な人権問題の検討にあたり、その知識を用いることができる。

以上を通じて、日本国憲法の保障する人権およびその保障システムに関する専門的知識と総合的判断能力を身につけることを目標とする。

教科書

教科書は特に指定しない。講義はレジュメに従って行う。
判例集は一冊は手元に用意してもらいたい。講義では以下のものをベースに進める。
・野中俊彦・江橋崇『憲法判例集』[第11版](有斐閣新書、2016)

判例集の購入は、宅配による販売を利用することを強く推奨する。
生協の行う宅配による教科書販売については下記ホームページを参
http://www.nucoop.jp/book/news_2/news_detail_2487.html

参考書・参考資料

さしあたり、概説書として、以下のものが参考となるだろう。その他の参考文献については、必要に応じて講義内で適宜指示する。

・本秀紀編『憲法講義』[第2版](日本評論社、2018)
・辻村みよ子『憲法』[第6版](日本評論社、2018)
・野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法〔第5版〕』Ⅰ・Ⅱ(有斐閣、2012)
・芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』[第7版](岩波書店、2019)
・浦部法穂『憲法学教室』[全訂第3版](日本評論社、2016)
・佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011)

成績評価方法 毎回の課題(50%)および期末試験(50%)による。定期試験は論述式の試験である。
100点満点で60点以上を合格とし、60点以上69点までをC、70点以上79点までをB、80点以上をA、90点以上をSとする。
 
履修条件 特になし。
授業時間外学習の指示

本ページ下部に「授業時間外の学修活動」の記載があるので、それを参照。

質問への対応方法

学生便覧を参照。

その他の注意

・なるべく新聞を読むこと。現実の政治社会問題に関心のない人にとって、憲法学をマスターすることはかなり困難であると思う。テレビやネット上のニュースで満足せず、新聞をぜひ読んで欲しい。
・講義のレジュメはシラバスシステムにupする。各自印刷して持参されたい。

 This lecture will be taught in Japanese.

 

この講義は、このcanvasシステムを利用して、オンラインで行います。初回は4月20日です。詳細はこちら

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テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1,2 概論:基本的人権を保障する意義 明治憲法や諸外国の憲法との比較において、日本国憲法が「基本的人権の保障」を定めていることの意義を理解する。

3,4 司法権の観念と違憲審査制 司法権の観念と違憲審査制に関する基本的事項を理解する。その上で、日本の違憲審査制度の動態を理解する。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
5,6

総論1:人権享有主体性

憲法の保障する基本的人権を享有するのは誰か、という問題について、特に「外国人の人権」と「法人の人権」の問題を取り上げて講義する。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
7,8 総論2:人権の限界 「人権の限界」に関する基本事項を講義し、その制約のあり方を講義する。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
9,10 表現の自由1:総論 人権のなかでも「最も重要」といわれる表現の自由について、その特徴および基本的内容を明らかにする。
表現の自由の限界について、具体的な判例・学説を取り上げつつ講義する。
レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。

11,12

13,14

表現の自由2:各論 人権のなかでも「最も重要」といわれる表現の自由について、その特徴および基本的内容を明らかにする。
表現の自由の限界について、具体的な判例・学説を取り上げつつ講義する。
レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
15,16 平等1:総論 「法の下の平等」に関する基本的知識を理解する。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
17,18,19,20 平等2:各論 「法の下の平等」に関する学説・判例を理解し、その問題点を明らかにする。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
21,22 思想・良心の自由 「精神的自由」が何故保障されなくてはならないかを、他の人権(経済的自由など)との比較において理解する。
思想・良心の自由に関する学説・判例を整理し、その問題点を明らかにする。
レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
23,24 信教の自由と政教分離1:総論 信教の自由および政教分離の保障の意義を理解する。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。

25,26

27,28

信教の自由と政教分離2:各論

信教の自由および政教分離に関する学説・判例を整理し、その問題点を明らかにする。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。
29,30 学問の自由 学問の自由に関する基本的知識・学説・判例を理解し、整理し、その問題点を明らかにする。 レジュメ記載の判決を予め読んでおくこと。

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https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/6CBXTB

 

コースサマリー:

日付 詳細