コース要綱

:(9300093)国際法Ⅰ

[講義基本情報]

教員: 小畑 郁
その他の教員:
科目種別: 展開先端
開講時期: 春学期
対象年次: 2年(2年コ-ス1年)
開講時限: 月5
単位数: 2
必修の有無: 選択
教室:

遠隔講義の方法による。具体的には、Zoomによることを検討中である。出校は控えること。

 

講義概要

本講義は、原則として遠隔テレビ会議システム(Zoomを検討中)で行います。それ以外の方式にする場合は、あらかじめ「ページ」または「アナウンス」欄で告知します。第1回は修正された学務カレンダー通り、4月27日16時半から行いますので、履修希望者は参加してください。なお、正式の履修登録とはリンクしておらず、後から脱退も可能ですので、今の段階で参加しようと思っている人は、CANVASでメンバー登録をお願いします。

(1)法学未修者をも想定して、国際法の基本構造に関する基礎的知識を修得し、その機能を考えるための素材を提供する。そのことを通じて「国際法Ⅱ」の履修の前提的知識を提供する。
(2)「国際法Ⅱ」と合わせて新司法試験選択科目「国際関係法・公法系」に必要な基礎的知識を提供する。
(3)国際法の基本構造にかかわる日本の政府および裁判所の法実務の状況について、現状を理解すると同時に批判的に捉え発展させる能力を涵養するための素材を提供する。

到達目標 (1)国際法を成り立たせている国際社会の基本構造を理解し、国際法の変動要因を把握する。
(2)国際社会における裁判、国際社会の公共性の実現手段、国家の地位、空間構造、国内裁判所の裁判権に関する国際法、条約法についての基本的知識を修得する。
(3)(1)(2)を通じて、価値体系の多様性が前提とされている社会における法のあり方・法律家の役割について問題意識をもつ。
(4)国際的規則の動態を知ることを通じて、日本法の今後のあり方について問題意識をもつ。
教科書

松井芳郎ほか『国際法(第5版)』(有斐閣、2007年)

『ベーシック条約集(2020年版)』(東信堂)※講義に携帯してくること

参考書・参考資料 <参考書>
 浅田正彦編『国際法(第4版)』(東信堂、2019年)
 杉原高嶺『国際法学講義』(有斐閣、2008年)
 酒井啓亘ほか『国際法』(有斐閣、2011年)
 小寺彰ほか編『講義国際法(第2版)』(有斐閣、2010年)
<判例解説集>
 薬師寺公夫ほか編『判例国際法(第3版)』(東信堂、2019年)
 杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例50(第2版)』(三省堂、2014年)
 小寺彰ほか編『国際法判例百選(第2版)』(有斐閣、2011年)
その他、適宜指示する。
成績評価方法 (1)最終レポート 70%
(2)口頭での発問に対する受け答え・討論への参加 30%
履修条件 国際法の入門的教科書程度の知識を有していること。あるいはそれを履修登録後すみやかに身につけること。後期に開講される「国際法Ⅱ」と合わせて履修することが望ましい。
授業時間外学習の指示 授業計画欄でその都度指示する。一般的には国際法の入門的教科書程度の基礎知識をその都度確認し、基本判例の事実関係と判旨程度は、理解しておくこと。
質問への対応方法 授業時間後に対応するほか、メールを通じてアポイントメントをとることを通じて、面談に応ずる。
その他の注意

名古屋大学におけるCOVID-19問題についての下記の指針を参照すること(とくに「5.学生の入構制限」に注意)。

http://www.law.nagoya-u.ac.jp/_userdata/20200409shishin2.pdf

(なお、「方針」における警戒カテゴリー・レベルは更新される―上記のものはあくまで49日現在のものである―ので、名古屋大学HP(トップページ)にある「新型コロナウィルス感染症(COVID19)における名古屋大学の活動方針」を随時確認するようにすること。)

 

※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/D9FX7K

 

講義計画

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1
オリエンテーション、現代国際法入門(1)

国際法の学習の仕方、資料の調べ方について一通りの理解をもつ。講義の受講上注意すべきことについて確認する。現代国際法の体系を考える前提として、国際裁判の実際を理解する。

 

※ファイルとしてアップロードしたものについては、印刷配布しませんので、各自準備しておいてください。
「国際」と名の付く他の法の性格について調べておく。教科書と条約集を用意し、ざっと見ておく。
2
現代国際法入門(2)
前回の国際裁判の実際と国際法の公法的機能の展開を踏まえ、より一般的に、国際法の存立基盤である国際社会の国内社会と異なる特徴に留意して、現代国際法の体系を考える。 主として第1回の「関連ページ」欄に掲載した原稿に沿って講義するので、精読し、分からない点を洗い出しておく。
3
戦争の違法化および集団的安全保障(1)

戦争の違法化と集団的安全保障について理解する。国連の集団的安全保障の仕組み、平和維持活動、および冷戦後の集団的安全保障をめぐる動向について理解する。

 

教科書を参考に、戦争の違法化の流れを集団安全保障システムの展開とともに年表化しておく。国連憲章第7章の規定を調べておく。
4

 

※授業日


戦争の違法化および集団的安全保障(2)

前回に引き続き、とりわけ自衛権をめぐる問題について基礎的理解を得る。

 

ニカラグア事件について調べておく。「武力攻撃」「武力行使」「平和に対する脅威」の各概念について整理しておく。
5 5月18日 
国家の観念および国家承認 

国家についての伝統的観念が変容してきていること、そのなかで、国家承認をめぐる従来の学説対立のもつ意味合いが異なってきていることを理解する。

 

資料欄にある原稿を読んで疑問点を整理しておく。自決権の確立が国家性に影響を及ぼした例について調べておく。ユーゴスラビア解体過程における国家承認の問題について調べておく。
6

5月25日

国家承認および国家管轄権


 

引き続き国家承認および国家性の意義について検討する。国家管轄権の基礎理論と管轄権の域外適用について理解する。

 

北朝鮮の「国家」性について考えておく
7

5月30日(土、月曜授業日)

国家管轄権および国家免除(2)


 
 


 国家免除について,その根拠,絶対免除主義と相対免除主義の区別を確認し,国際的動向について理解する。引き続き国家免除をめぐる問題を検討する。国連国家免除条約について検討する。
国連国家免除条約および外国等裁判権法を読んでおく。東京三洋パキスタン事件高裁・最高裁判決を読んでおく。
8

6月1日

現代海洋法の基本動向(1)

 

現代海洋法の基本構造について理解する。航行利用の法(公海)について理解する。

 

アイムアローン号事件およびいわゆる不審船事件について調べておく。
9

6月8日

 現代海洋法の基本動向(2)
 

引き続き航行利用の法(領海・国際海峡制度)を議論し、また、海洋資源問題処理について理解する。

 

関連する国連海洋法条約の規定を読んでおく。
10

6月15日

領域紛争の諸問題
 

 

領域紛争に適用される法について基礎的理解を得る。

 

日中大陸棚境界紛争について考えておく。
11

6月22日

条約法とその重要問題(1)
 

条約の概念と機能、条約法の展開過程、条約法条約の主な特徴と問題点について、基礎的理解を得る。

 

条約法条約の規定を調べておく。日本国憲法における条約締結手続について確認しておく。
12

6月29日

条約法とその重要問題(2)
 

条約法の重要問題として、留保および強制による条約の無効を取り上げ、問題状況、条約法条約の規定、関連判例等について基礎的知識を修得し、それを通じて,国際法の現代的現象がどのように現れているか,を考える。

 

ジェノサイド条約に対する留保事件を調べておく。 自由権規約委員会一般的意見24
13

7月6日

国際責任法とその現代的動向
 

近年重要性を増していると考えられている国際責任法とその現代的動向について理解する。

 

国際法委員会「国家責任条文」を検討しておく。テヘラン人質事件について調べておく。
14

7月13日

国際紛争処理(その1)

国際紛争処理の基本原則を理解する。国際司法裁判所手続における主要問題(管轄権,仮保全措置など)について理解する。

国際司法裁判所の手続の流れについて調べておく。
15

7月20日

国際紛争処理(その2)

政治的紛争の理論および法変動過程における裁判の意義について理解し,国際法の適用が国際紛争の解決にとってもつ意味を考える。

ニカラグア事件およびアイスランド漁業管轄権事件について調べておく。

16 最終レポート提出 必要に応じて、最終レポート完成についての相談に応じる。また、成績発表後、レポートの内容および成績についての個別面談に応じる。

 

 

コースサマリー:

日付 詳細