コース要綱

:(9300066)地方自治法

[講義基本情報]

教員: 豊島 明子(教育連携)
その他の教員:
科目種別: 展開先端
開講時期: 春学期
対象年次: 2年(2年コース1年)
開講時限: 木5
単位数: 2
必修の有無: 選択
教室: この授業は南山大学で開講されるが、本年度は当面、遠隔講義の方法による(具体的にはZOOMを用いる)。出校は控えること。

 

講義概要 地方公共団体の諸活動は,本来,住民の権利実現を目的として,全国統一的な国法秩序の枠内に位置しながらも,これらの法の自主的解釈・運用や当該地域の諸課題に有効に応えるための自主立法の取り組みによって,様々な創意工夫を試みつつ,繰り広げられるべきものである。この意味において,地方行政は,国のそれと比較して,しばしば,応用的・実践的で創造的・先進的な活動を展開しうる点に,特徴がある。
これらの点に留意しつつ,地方自治法の各項目について講義を行う。なお,講義は,教員からの講義形式を基本とするが、適宜、その都度とりあげる判例や事例について知識や見解を問うような質疑応答形式も盛り込みながら進める。
到達目標

(1)地方自治について,地方自治法を中心に,その仕組みが理解できる。

(2)行政手続・情報公開・個人情報保護など、地方自治法以外の個別法に基づく地方自治体の実践について、その解釈論・立法論の現状を理解できる。

(3)判例をもとに,地方公共団体の諸活動の法的統制の現状を理解し,種々の法的紛争解決のあり方を考えることができる。

(4)地方公共団体では,近年,自らの法務能力を駆使して住民の権利を実現し,地域的課題の解決を図るため,「自治体法務」・「政策法務」の重要性が説かれている。法曹として,地方公共団体が独自の「法務」を展開できるよう,これらを支援するために必要な知識と思考力が修得できる。

(5)1990年代半ばから進められてきた「地方分権」と呼ばれる政策の特徴と,これによる立法の動向を理解し,今後の地方自治のあり方について批判的・発展的に考えることができる。

教科書

人見剛・須藤陽子編著『ホーンブック 地方自治法〔第3版〕』(北樹出版、2015年)

まだ教科書を購入していない場合には、宅配による販売を利用することを強く推奨する。なお、生協の行う宅配による教科書販売については、さしあたり下記のページを参照すること。

http://www.nucoop.jp/book/news_2/news_detail_2487.html 

参考書・参考資料

宇賀克也『地方自治法概説』[第8版](有斐閣、2019年)、『地方自治判例百選』[第4版](有斐閣、2013年)

授業では、毎回、レジュメを提示します。授業でとりあげる最新判例や先進的な条例等については、適宜、参照方法を指示したり、レジュメとともに資料提供します。
成績評価方法

(1)授業期間の中間に、1回の課題を課す。(10%×1回=計10%)
(2)授業参加度(授業への参加姿勢と質問への回答=10%)
(3)学期末試験※(80%)
以上の評価方法により評価し、総合点60点以上を合格とする。

※南山大学法科大学院では、学期末試験については、今のところ、通常通りの方式で行う予定です。ただし、状況の変化により変更の可能性がありますので、その場合には直ちにお知らせします。

履修条件 特になし。
授業時間外学習の指示

・各回のレジュメに掲げた「設問」について、事前に検討しておくこと。

・以上のほか、「講義計画」の各講義回の「授業時間外の学修活動」の指示に従うこと。

質問への対応方法 ZOOMを用いて授業時間外に質問に応じるほか、メールで対応する。
その他の注意

この授業は、南山大学でZOOMを用いた遠隔授業として開講される。

授業時間は17時から18時半。授業日は、南山大学の学事暦※に従う。

※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、南山大学では学事暦が変更され、初回授業は4月30日(木)、最終回(第15回)の授業日は7月23日(木)に改められました。これに伴い、毎週木曜の授業(正規の時間帯での授業)は13回しか確保できないため、不足する2回分は補講を行います。補講日程は、授業開始後、受講者と相談のうえ決定します。

 

1 地方自治の基本理念と地方公共団体
(4/30) 
1.地方自治の基本理念を理解する。
2.地方自治の法源を理解する。
3.90年代以降の地方自治法の変遷を理解する。
4.地方公共団体の法的地位と広域行政の仕組みを理解する。
教科書の第1・2章および第6章第1・2節を読んでおくこと。
2 住民の権利(5/7) 1.住民の意義と、住民の権利の類型を理解する。
2.住民の参政権に関する諸制度を理解する。
3.外国人たる住民の法的地位を理解する。

教科書第4章第1・2節までと、あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
3 直接民主主義の諸制度と行政手続(5/14) 1.直接民主主義に関する諸制度の類型を理解する。
2.住民投票制度について、その仕組みと法的課題を理解する。
3.行政手続条例と行政手続法の関係を理解する。

教科書第4章第3節を読んでおくこと。
4 住民参加と情報公開の制度(5/21) 1.住民参加制度について、その仕組みと法的課題を理解する。
2.情報公開条例の制定・普及の経緯を理解する。
3.情報公開条例の基本構造を理解する。
4.情報公開に関する政策法務を考える。

教科書第4章第5節を読んでおくこと。
5 情報公開条例の解釈・運用(1)(5/28)
 
1.情報公開条例の判例を理解する。
2.情報公開条例の解釈・運用のあり方を考える。

あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
6 情報公開条例の解釈・運用(2)(5/?)
 
1.情報公開条例の判例を理解する。
2.情報公開条例の解釈・運用のあり方を考える。

あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
7

個人情報保護、および普通地方公共団体の事務と自治立法権(1)(6/?)

1.個人情報保護条例の制定・普及の経緯を理解する。
2.条例の基本構造と解釈・運用のあり方を、判例とともに、理解する。
3.事務区分と事務配分について理解する。
4.条例制定権と憲法上の法律事項の関係を理解する。
5.条例制定権の限界について、その問題の所在を理解する。
教科書第4章第1節4の部分と、あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
教科書第5章第1節を読んでおくこと。
8 自治立法権(2)(6/?) 1.条例制定権の限界に関する伝統的学説と、その克服過程を理解する。
2.様々な規制条例の類型を理解する。
3.条例制定権の限界に関する判例の展開と、学説の展開を理解する。
4.規則と要綱をめぐる諸問題を理解する。
教科書第5章第2・3節と、あらかじめ提示された判例と条例を読んでおくこと。
9 議会と執行機関(6/?) 1.議会の法的地位・権限・組織・運営について理解する。
2.執行機関について理解する。
3.議会と長の関係を理解する。
教科書第3章を読んでおくこと。
10 公の施設(6/?) 1.公の施設の利用関係について理解する。
2.指定管理者制度について理解する。
3.民営化の法的統制可能性について、事例をもとに考える。
教科書第7章と、あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
11 住民監査請求と住民訴訟(1)(6/?) 1.住民監査請求の対象・手続を理解する。
2.監査請求前置主義について理解する。
教科書第4章第4節と第8章を読んでおくこと。
12 住民訴訟(2)(7/?) 1.住民訴訟制度の類型・対象を理解する。
2.「財務会計行為」と先行行為の関係について理解する。
3.「当該職員」について理解する。
あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
13 住民訴訟(3)(7/?) 1.各号請求の論点を、判例とともに、理解する。
2.議会による債権放棄の違法性について、理解する。

あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
14

地方公共団体の契約(7/?)

1.補助金交付について理解する。
2.調達契約のあり方について理解する。
教科書第8章第3節2、第4節と、あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
15 国と地方公共団体の関係(7/23) 1.普通地方公共団体に対する国の関与の制度(関与類型・関与の基本原則・手続)について理解する。2.国と地方の間の係争処理の仕組みについて理解する。 教科書第6章第3・4・5節と、あらかじめ提示された判例を読んでおくこと。
16 期末試験・講評 これまでの学習内容をしっかりと振り返り、自らの知識を確かなものにして試験に臨む。 全15回の授業でとりあげた、地方自治法上の諸制度の趣旨、地方自治体独自の条例のしくみ、判例・学説について、十分に復習しておくこと。

 ※本コースにメンバー登録を希望する学生は下記URLにアクセスしてください。名大IDとパスワードで認証し、「コースへの登録」ボタンをクリックします。 

https://canvas.law.nagoya-u.ac.jp/enroll/4T8JJ9

コースサマリー:

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