コース要綱

2017 計量政治学

教員: 森 正
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅲ、Ⅴ、Ⅶ
対象年次: 2,3,4
開講時限: 火曜3限
単位数: 2
必修の有無:
教室: -

 

講義概要  複雑な政治現象を読み解くため、これまで政治学は社会心理学、経済学、社会学、情報科学、数学、統計学といった他分野の研究成果、アプローチも積極的に 取り入れ、分析に必要な“レンズ”を手にしてきた。この講義では、政治学の持つ“レンズ”のうち、計量的アプローチについて紹介する。併せて、政治過程に おける 主要な構成要素である選挙や投票行動を中心に、計量的手法による政治分析がこれまで明らかにしてきた政治過程の実態(政策形成、政治意識、マス・メディ ア、地方自治…)についてもわかりやすく解説する。
 選挙や投票行動の研究は、米国の政治学における中心的な研究テーマの1つとして、数多くの研究者によって取り組まれてきた。現代に到るまでの彼らの業績 をできるだけ体系的かつわかりやすく整理することで、第2次世界大戦以降の政治学の系譜についても紹介することができればと考えている。
到達目標 以下の2点の理解を目標とする。
・政治学における計量的アプローチの意義と有効性
・選挙、投票行動に関する理論モデルとその分析手法
教科書 飯田 健・松林 哲也・大村 華子『政治行動論―有権者は政治を変えられるのか』有斐閣、2015年
参考書・参考資料 小林 良彰『選挙・投票行動』東京大学出版会、2000年
その他、各回の講義内容を参照のこと。
成績評価方法 定期試験および講義中に適宜実施する小テストを加味する。
履修条件 コンピューターや統計学の知識は必要ない。
その他の注意 -

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 計量政治学について学ぶ意義 この講義で何を学ぶのか?履修に際する注意事項など

教科書、序章。
参考文献、第1章。

猪口 孝『政治学者のメチエ』筑摩書房、1996年、第10章。
小林 良彰「わが国における有権者意識研究の系譜と課題」小林(編)『日本における有権者意識の動態』慶應義塾大学出版会、2005年、第1章.
増山 幹高・山田 真裕『計量政治分析入門』東京大学出版会、2004年、第1章。

2 民意の分布と形成 有権者は政治に対してどのような意見を持っているのか?その意見はどのように形成されるか? 教科書、第1章。
3 有権者の政治知識と判断 有権者は政治に対してどれくらい知識を持っているか? 教科書、第2章。
4 投票参加(1) 有権者が投票|棄権を決める要因は何か?

教科書、第4章。
参考文献、第2章。

平野 浩「人はなぜ投票に行くのか―投票参加の社会心理」高木・池田(編)『政治行動の社会心理学』北大路出版、2001年。

5 投票参加(2) 投票率が低下している原因は何か?

教科書、第4章。
参考文献、第2章。

浅野 正彦「国政選挙における地方政治家の選挙動員」『選挙研究』13、1998年。
今井 亮祐「選挙動員と投票参加―2007年<亥年>の参院選の分析」『選挙研究』25(1)、2009年。
石川 真澄『戦後政治史』岩波新書.補論、1995年。
蒲島 郁夫『投票参加』東京大学出版会、1989年、第6章。
三船 毅「投票参加理論におけるコスト―ダウンズモデルにおける投票コストと組織・動員」『選挙学会紀要』9.2007年。
西澤 由隆「地方選挙における投票率」『都市研究』82(10)、1991年。
岡田 浩「政党間差異認知の投票参加に及ぼす影響」『選挙研究』13、1998年。

6 地域特性と投票選択 都市部と農村部で有権者の投票行動が異なるのはなぜか?

参考文献、第3章.

小林 良彰『現代日本の政治過程』東京大学出版会、1997年、第8章。
森 正「日本におけるコートテール・イフェクトと有権者意識」小林(編)前掲書、第7章.
坂部 裕美子「投票率と地域データとの関連性の分析―衆議院議員選挙投票率と国勢調査結果を用いて」『エストレーラ』122、2004年。
富田 信男『議会政治への視座』北樹出版、1997年、第1章。

7 社会的属性と投票選択 年齢や性別、職業といった社会的属性によって投票はどのように変わるのか?

参考文献、第4章.

井田 正道「55年体制期の政治意識に関する一考察―年齢階層と政党支持について」『政経論叢』78、2009年。
田中 愛治「国民の政治意識における55年体制の形成」中村・宮崎(編)『過渡期としての50年代』東京大学出版会、1997年。
綿貫 譲治「『出生コーホート』と日本有権者」『レヴァイアサン』15、1994年。

8 党派性とイデオロギー 政党支持とは何か?政党支持はどのように形成され、どのように変わるのか?

教科書、第3・5章。
参考文献、第5章。

蒲島 郁夫『戦後政治の軌跡』岩波書店、2004年、第4・7章。
小林 良彰、前掲書、第9章。
前田 幸男「民主党支持率の成長と安定」上神・堤(編)『民主党の組織と政策―結党から政権交代まで』東洋経済新報社、2011年。
三宅 一郎『日本の政治と選挙』東京大学出版会、1995年、第6章。
田中 愛治「政党支持なし層の意識構造」『レヴァイアサン』20、1997年。
谷口 将紀『政党支持の理論』岩波書店、2012年。

9 民意と政策(1) 政党や候補者の掲げる政策が似通ったものになるのはなぜか?

教科書、第8章。
参考文献、第6章。

岡崎 哲郎「ダウンズ・モデル、中位投票者定理と政党の政策実施能力」『公共選択の研究』52、2009年。
小林 良彰『公共選択』東京大学出版会、1988年、第4章。

10 民意と政策(2) 選挙の際に見られる争点は投票行動にどのような影響を与えているのか?

教科書、第8章。
参考文献、第6章。

小林 良彰「マニフェスト選挙以降の争点態度投票」『選挙研究』21、2006年。
三宅 一郎『日本の政治と選挙』東京大学出版会、1995年、第4・7章。
谷口 尚子「2004年参院選における政策争点と有権者意識」小林(編)前掲書、第7章。

11 政治不信と投票選択 どのような有権者が政治不信を抱いているのか?政治不信の構造はどのようになっているのだろうか? 参考文献、第7章。
12 民意と経済 選挙は経済にどのような影響をもたらすのだろうか?

教科書、第7章。
参考文献、第8章。

平野 浩「選挙研究における『業績評価・経済状況』の現状と課題」『選挙研究』13、1999年。
宮下 量久「政治的景気循環論と政治的予算循環論」『公共選択の研究』55、2010年。
西澤 由隆・河野 勝「日本における選挙経済循環―総選挙と政府の財政政策」『レヴァイアサン』6、1990年。

13 候補者評価と投票行動 投票選択において候補者はどれくらい影響を持つのか?候補者に対するイメージはどのように形成されるのだろうか? 参考文献、第9章。
 
平野 浩「情報・イメージ・投票行動―記号としての候補者と意味としての候補者イメージ」『選挙研究』4、1989年。
蒲島 郁夫、前掲書、第14・15章。
三宅 一郎「新党の出現と候補者評価モデル」『レヴァイアサン』15、1994年。
森 正「日本におけるコートテール・イフェクトと有権者意識」小林(編)前掲書、第7章。
14 選挙制度・選挙運動と投票選択(1) 選挙制度、政党・候補者の公約は有権者の投票選択に影響を与えるのか?

教科書、第9章。
参考文献、第10章.

川人 貞史『選挙制度と政党システム』、木鐸社、2004年、第8・9章。
森 正「『制度改革』の政治学―日本政治の変化をめぐる日本政治研究の展開―」『年報政治学』2006-Ⅱ号、2007年。
河野 勝「日本における並立制導入の功罪――戦略的分裂投票に関する理論と実証」『青山国際政経論集』48、1999年。
リード, スティーブン R.「中選挙区制におけるM+1法則」『総合政策研究』2、1997年。
佐々木・吉田・谷口・山本(編).1999.『代議士とカネ』第Ⅰ部.
堤 英敬「日本における政策争点とその変容」小林(編)前掲書、第2章。

15 選挙制度・選挙運動と投票選択(2)・有権者ま民意を変えられるのか? 選挙区や支持団体への利益誘導は有権者の投票選択に影響を与えるのか?
選挙・投票行動研究および政治学における計量的アプローチの課題は何か?

教科書、第9章、終章。
参考文献、第10・11章。

小林 良彰『政治過程の計量分析』東京大学出版会、1997年、第7章。
カルダー, ケント E.『自民党長期政権の研究――危機と補助金』文藝春秋社、1989年。
広瀬 道貞『補助金と政権党』朝日新聞社、1993年。
名取 良太「選挙制度改革と利益誘導政治」『選挙研究』17、2002年。
大和田 宗典「日本における政府支出と有権者行動」小林(編)前掲書、第5章。

 

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