コース要綱

2017 国際法各論Ⅰ

教員: 水島朋則
その他の教員:
科目種別:
開講時期: 前期
対象年次: 3,4
開講時限: 月4
単位数: 2
必修の有無:
教室: -

 

講義概要

貿易や投資など、基本的には国ではない経済主体(企業など)の活動を、基本的には国の間の法である国際法(条約)が、どのように規制しているのでしょうか。経済に関するさまざまな分野における国際法上の主要な論点について、例えば、世界貿易機関(WTO)における日本の酒税事件や、投資条約に基づく仲裁事例(野村證券グループによるチェコでの投資に関するサルカ事件など)を取り上げながら講義します。

到達目標

(1)例えばTPP(環太平洋パートナーシップ)協定の問題のような、国際社会において生ずるさまざまな経済(および労働)問題について、それを国際法の観点からも考えてみるための基本的な能力を養う。

(2)国際法が国内法(日本法など)や企業などの活動に及ぼす影響について理解し、国際的な視野から国内法システム全体を見渡す感覚を高める。

(3)これらを通じて、「法」というものについて考えるための1つの素材を得る。

(1)〜(3)は、いずれも程度問題になりますが、大学の「単位」を認定するわけですから、「一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準と[する]」(大学設置基準21条2項)以外の「標準」はないと考えています。この科目は2単位ですので、90時間の学修を通じた程度の(1)〜(3)が到達目標となります。自ずと、「授業時間外に必要な学修」(同)が大半を占めるはずであることについては、確認するまでもないでしょう。

教科書

とくに指定しません。

参考書・参考資料

必要に応じて各回の講義資料に示しますが、さしあたり下のものを挙げておきます。

<条約集>

 小型のものとして、『コンサイス条約集(第2版)』(三省堂)/『ハンディ条約集』(東信堂)

 詳しいものとして、『ベーシック条約集』(東信堂)/『国際条約集』(有斐閣)

<経済条約集>

 小寺彰・中川淳司編『基本経済条約集(第2版)』(有斐閣、2014年)

 小原喜雄ほか編『国際経済条約・法令集』(東信堂、2002年)

<参考書>

 経済産業省通商政策局編『2016年版不公正貿易報告書』(2016年)

 中川淳司ほか『国際経済法(第2版)』(有斐閣、2012年)

 松下満雄・米谷三以『国際経済法』(東京大学出版会、2015年)

 中川淳司『WTO 貿易自由化を超えて』(岩波新書、2013年)

 小寺彰編『国際投資協定(第2版)』(三省堂、2010年)

 松下満雄ほか編『ケースブック WTO法』(有斐閣、2009年)

 吾郷眞一『国際経済社会法』(三省堂、2005年)

成績評価方法

成績評価の基本的なあり方としては、上の「到達目標」に達しているか否かの判断となりますが、具体的には次のような形で評価する予定です。期末試験は行いません。

毎回、事前課題(第1回を除く)および事後課題などを基に、各回10点を上限に評価します。その合計点(10点×14回=140点が上限)を、1.4で割った数字に基づいて、最終的な成績評価を行います。欠席(また、出席はしたが課題不提出)の回は、評価を0点としますが、下に書くように期末課題の評価に基づく加点はあり得ます。なお、事前・事後・期末課題を行うにあたっての不正行為については、期末試験における不正行為と同様の対処をします。

期末課題は、欠席(課題不提出を含む)が1回~4回の受講者を対象として行い、「期末課題の評価(10点を上限)×欠席回数」を、上の合計点(1.4で割る前の点数)に加えた上で、評価します。

(注1)欠席のうち、法学部の追試験事由に該当するような病気その他やむを得ない事由によるものではない欠席の場合は、出席した回の平均点を、期末課題の評価に基づく加点の上限とします。

(注2)出席の確認方法は、受講者数(出席者数)なども考慮して決めますが、出席回数が9回以下(欠席回数が5回以上)の場合には、原則として期末課題の提出を認めず、成績評価では「欠席」とします。他方で、出席回数が10回~13回の受講生は、予め申し出ない限り、期末課題を提出しない場合でも成績評価の対象とします(成績評価において「欠席」とはなりません)。

<参考:過去の「国際法各論Ⅰ」(水島)の成績分布>

2015年度:S 0 / A 1 / B 2 / C 1 / F 0

2013年度:S 3 / A 5 / B 3 / C 2 / F 2

2011年度:    優 5 / 良 4 / 可 1 / 不可 0

2009年度:    優 4 / 良 0 / 可 0 / 不可 0

2007年度:    優 3 / 良 2 / 可 2 / 不可 5

 (成績評価方法は、定期試験のみによった2007年度を除き、2017年度とほぼ同様です。)

履修条件

とくにありませんが、上の「到達目標」を理解している必要はあります。

なお、「国際法総論」を履修済みであれば、「国際法各論Ⅰ」の講義を理解しやすいとは思いますが、履修済みであることが必須条件ではありません。「国際法総論」未履修者については、例えば、浅田正彦編『国際法(第3版)』(東信堂、2016年)(とくに第1章、第5章、第17章)を事前に読んでおくことを勧めます。

その他の注意

上の「成績評価方法」と関連して、毎回、事前課題(第1回を除く)および事後課題を提出してもらいます(NUCTを利用します)。各回の事前課題および資料は、NUCTを利用して2週間前には入手できるようにします。こちらで印刷したものを講義室で配付する形はとりません。

講義で取り上げる条約などの多くは、外国語(とくに英語)で作られ、条約集などに載っている日本語の条文は、ほとんどの場合、公式あるいは非公式の翻訳にすぎず、「正文」ではありません。できるだけ「正文」を前提に講義をしようと思いますので、講義資料では、原則として(英文があれば)英文のまま載せます(講義自体は日本語で行います)。翻訳(あるいは日本語が正文の条約)については、必要であれば条約集などを参照してください。

なお、下の講義計画は、講義開始までに、また、講義の進行状況などに照らして、適宜変更する可能性があります。

 

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