コース要綱

2017行政学

[講義基本情報]

教員: 後 房雄
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅲ期
対象年次: 2年
開講時限: 金3 金4
単位数: 4
必修の有無:
教室: -

 

講義概要  1980年代以降の日本(および他の先進諸国)においては、行政改革、教育改革、経済構造改革、福祉改革、政治改革、地方分権改革、司法制度改革など、一連の「改革」がキーワードとなり続けてきた。こうした動向を要約するならば、政治-行政関係の転換、および行政-社会関係の転換という二重の意味における「対行政革命」ということができる。
 つまり、政治-行政関係において政治が自立して主導権を回復すること、行政-社会関係において社会(市場と市民社会)が自立して主導権を回復することの二つが時代の課題となっているということである。これはまた、個人の自己決定権や自治の実質化でもある。そのなかで、行政自体も、成果志向、顧客重視、参加と協働などの方向での自己改革を迫られている。
 講義では、明治以来の追い付き型近代化過程における日本型行政システムの原型の確立、およびその後の変容と持続をたどったうえで、現在進行中の「対行政革命」(自由主義的改革)の背景、内容、見通しなどを考える。


到達目標  明治以来の「追い付き型近代化」過程における日本型行政システムの原型の確立、およびその後の変容と持続、その根本的な改革を迫る現在進行中の「対行政革命」の背景、内容、見通しなどを理解する。併せて、行政学の基礎的な概念や理論、日本の比較対象としての諸外国の行政システムについても知識を得る。

教科書 特になし。適宜資料を配布する。

参考書・参考資料 ・後 房雄「経営・自治へ展開する行政評価(1~23)」、『ガバナンス』2005年5月号~2007年3月号
・後 房雄「福祉国家の再編成と新自由主義―ワークフェアと準市場」、日本行政学会編『変貌する行政』ぎょうせい、2009年
・後 房雄『NPOは公共サービスを担えるか』法律文化社、2009年
・後 房雄『政権交代への軌跡』花伝社、2009年
・ジュリアン・ルグラン(後房雄訳)『準市場 もう一つの見えざる手―選択と競争による公共サービス』法律文化社、2010年
・西尾勝『行政学(新版)』有斐閣、2001年
・村松岐夫『行政学教科書(第2版)』有斐閣、2001年
・真渕勝『行政学』有斐閣、2009年
・西尾勝・村松岐夫編『講座 行政学』全6巻、有斐閣、1994年-1995年
・村松岐夫『日本の行政』中公新書、1994年
・新藤宗幸『講義・現代日本の行政』東大出版会、2001年
・縣公一郎ほか編『行政の新展開』法律文化社、2002年
・クリストファー・フッド(森田朗訳)『行政活動の理論』岩波書店、2000年
・『データブック日本の行政』行政管理研究センター、隔年刊

成績評価方法 評価は中間課題レポート(30点)と学期末試験(70点)を総合して行う。
履修条件
その他の注意

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 「大きな政府」と「追い付き型近代化」

■100年以上続いてきた「大きな政府」への歴史的傾向とその原因。1980年ころからの転換の背景と見通し。
■明治以来の「追い付き型近代化」体制の特徴と、その成功による終焉。公的諸制度が一斉に改革を迫られている「改革の時代」。
2 日本型行政システム ■日本型行政システムの形成と特徴を説明する1940年体制論と最大動員システム論。
■規模は相対的に小さいのに、社会的影響力が大きい日本型行政システムの逆説。
3 官僚内閣制 ■日本の議院内閣制の実態は「官僚内閣制」。戦後の政治‐行政関係の実態。
4 政治改革のねらいと成果 ■民意の諸類型と民主主義の諸類型(国民投票・住民投票、比例代表制、小選挙区制)。
■政治改革のねらいとその成果。
■マニフェスト型政権運営と政治‐行政の役割分担
5 高度成長における行政の役割 ■明治大正経済システムと高度成長システム。
■高度経済成長における行政の役割。
6 ポスト高度成長期の課題 ■高度成長終焉の理由とポスト高度成長の課題。
■新自由主義の考え方。
7 福祉国家の成立過程 ■福祉国家の成立過程とその類型
■日本における福祉国家の成立過程
8 福祉改革とNPO ■福祉改革の諸潮流とパラダイム転換。
■福祉多元主義とNPO
9 新公共経営(NPM) ■1980年ころから世界的に普及してきた新公共経営(New Public Management)の要点と手法。
■行政評価と行政経営
10 自治体改革の動向 ■自治体改革の先進事例から、「ローカル・マニフェスト」、「政策マーケティング」、「まちづくり指標」、「ロジック・モデル」、「協働型マネジメント・サイクル」などのツールを紹介する。
■地方分権改革と自治体改革の展望
11 小泉政権の成果と限界 ■小泉政権の成果と限界。特に、経済財政諮問会議を中心にした官邸主導の実態。
■自由主義的改革はどこまで進んだのか
12 民主党政権及び第二次安倍政権

■民主党政権は、選挙による政権交代を史上初めて実現したという大きな意味はあったが、その後の政権運営においては、深刻な問題点を露呈した。
■民主党政権、およびその後の第二次安倍政権に関して、政治ー行政関係、執政部の指導力、政治家のマネジメント能力、財政再建と社会保障改革などの論点を検討する。

 

 

 

 

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