コース要綱

2017政治学原論

[講義基本情報]

教員: 田村哲樹
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: Ⅲ期
対象年次: 2年
開講時限: 木3 木4
単位数: 4
必修の有無:
教室: 第三講義室

 

講義概要

 「法」を考える時に法学的な考え方とそうではない考え方があるように(もちろん法学部生には、「法学的な」考え方を身につけることが期待されています)、「政治」を考える際にも、「政治学的な」考え方とそうではない考え方とがあります。言い換えれば、単に政治についての知識を持てば、それで「政治学的」に考えることができるというわけではありません。

 この講義では、政治についての「政治学的な」考え方を身につけるために、政治学が政治をどのように扱うのかについて、いくつかの角度から講義します。特に、この授業では、国家・政府レベルでの政治の説明とともに、政治は国家・政府だけにあるのではないということ、「政治=選挙」ではないということも重視します。

 具体的には、以下の項目に沿って講義する予定です。ただし、講義の進行状況や受講者の学修状況に応じて、適宜変更する場合があります。

 1.イントロダクション

 第Ⅰ部 政治を理解する

2. 政治は何ではないのか?:①政治と法

3. 政治は何ではないのか?:②政治と経済

4. 政治は何ではないのか?:③政治と社会

5. 政治とは何か?

第Ⅱ部 政治を場から考える

6. 国家

7. 政治体制:①(自由)民主主義体制と非民主主義体制

8. 政治体制:②(自由)民主主義政治体制の諸要素

9. 市民社会と公共圏

10. 家族と親密圏

 第Ⅲ部 政治をアクターから考える

11.政党・政治家

12.社会集団:①利益団体

13.社会集団:②社会運動

 第Ⅳ部 政治を「理解」する

14.自由な集団形成と影響力行使:集団理論

15.利害関係者による交渉:コーポラティズム

16.リーダーシップまたは非民主主義

17.代表と選挙

18.参加と熟議

 第Ⅴ部 政治を「説明」する

19.構造か、アクターか:福祉国家論の場合①

20.構造か、アクターか:福祉国家論の場合②

21.構造か、アクターか:福祉国家論の場合③

22.制度で説明する:新制度論①

23.制度で説明する:新制度論②

24.アイデア/言説で説明する①

25.アイデア/言説で説明する②

 第Ⅵ部 政治を「規範」的に考える

26.リベラリズムと正義

27.ジェンダー:公私二元論・ケアする人々・政治

28.民主主義:どのような民主主義がなぜ望ましいのか?

29.社会保障:ポスト福祉国家の規範的諸構想

30.全体のまとめ

到達目標

・政治学に関する専門的基礎知識を身につける。

・政治学的な「政治の見方」とはどのようなものかを理解する。

・政治学の概念と理論の学修を通じて、総合的に判断する能力および的確に意思決定する能力を涵養する。

教科書 使用しない。代わりに、配布レジュメを用意する。
参考書・参考資料

 もし政治学を勉強する際に「教科書」として刊行されているもので、何か一冊手元に置いておきたいならば、

・川出良枝・谷口将紀編『政治学』東京大学出版会、2012年

・加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦『現代政治学(第4版)』有斐閣(有斐閣アルマ)、2012年

をお勧めします(ただし、いずれも本講義の内容をすべてカバーするものではありません)。

 なお、本講義とは異なるタイプの政治学の考え方を知りたい場合には、

・砂原庸介・稗田健志・多湖淳『政治学の第一歩』有斐閣(有斐閣ストゥディア)、2015年

を読んでみるとよいかもしれません。

 また、この講義では、政治学を勉強するとは突き詰めるならば、「政治とは何か?」を考えることであると想定しています。そこで、このような問題を自分で考えてみたい人には、

・杉田敦『政治的思考』岩波新書、2013年

・ジェリー・ストーカー(山口二郎訳)『政治をあきらめない理由』岩波書店、2013年

をお勧めします。

 その他の参考文献は、講義中に適宜紹介します。

成績評価方法

・基本的に、学期末テストによって評価します。90点以上をS、80点以上をA、70~79点をB、60~69点をC、59点以下をFとします。
・数回提出してもらう予定のレスポンス・ペーパーの提出状況を、部分的に考慮に入れます。詳しくは、初回講義において説明します。

履修条件 特になし。
その他の注意

 受講生のみなさんの中には、「『法学』部に入ったのに、なぜ『政治』学を勉強しなければならないのか?」という疑問を持っている人もいるかもしれません。そのような疑問を持つ人が考えている以上には、法と政治には共通性も関係性もあります(もちろん違いもあります)。ともあれ、「政治(学)には興味がない」と思っている人には、「自分はなぜそう思うのか?」を問いながら、本講義を受講していただければと思います。そのように問うことも、結果的には「政治(学)」についての理解を深めることにつながるはずです。

 

 

Assignments Summary:

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