コース要綱

2017比較法文化論I

[講義基本情報]

教員: 桑原尚子
その他の教員: -
科目種別: 講義
開講時期: 集中講義
対象年次: 3年、4年
開講時限: 8月28日(月)、29日(火)、30日(水) 1限~5限
単位数: 2
必修の有無:
教室: -

 

講義概要  本講義では、まず、植民地経験、低開発からの国造り、民族的・宗教的多様性といった共通点を有する東南アジア諸国の憲法に関する講義を行い,西洋的価値観とは異なると度々指摘されてきたこれら憲法に規定される基礎的な概念―人権、民主主義、権力分立など―を比較法的方法で考察し,とくにアジアの立憲主義をめぐる諸問題を考える。
  次に、「アラブの春」後、新憲法起草又は憲法改正が国家的な論争として繰り広げられてきた中東諸国の憲法を取り上げ、西洋的価値観と鋭く対立すると言われているイスラーム、政教分離、ジェンダー、人権、民主主義をめぐる論点について考察する。
到達目標

(1)東南アジア諸国の歴史的・社会的背景と、人権・統治機構などの憲法体制との結びつきを理解する。
(2)国際社会がしばしば直面するイスラームからの「異議申し立て」の背景、原因について理解する。
(3)東南アジア諸国及び中東諸国の憲法を考察する視座について理解する。

教科書 授業の際、プリントを配布する。
参考書・参考資料

鮎京正訓『アジア法入門』名古屋大学出版会、2009年
稲正樹・孝忠延夫・國分典子編著『アジアの憲法入門』日本評論社、2010年
大河原知樹・堀井聡江『イスラーム法の「変容」』山川出版社、2014年
阿部博友他編『世界の法律情報:グローバル・リーガル・リサーチ』文眞堂、2016年

成績評価方法 レポート(100%)
履修条件 特になし。
その他の注意 普段から新聞の国際面を読むなどして、世界の出来事を注視して過ごして下さい。

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 オリエンテーション/講義概論 オリエンテーション:講義概要、講義の進め方、評価方法について説明する。
概論:私たちと「アジア法」との接点を考える材料を提示しながら、なぜ「アジア法」を学ぶのか、考える。
2 権威主義体制と憲法(1) 権威主義、法の支配及び立憲主義をキーワードに、「権威主義的立憲主義(Authoritarian Constitutionalism)」の視座に批判的検討を加えながら、シンガポール憲法について講義する。
3 権威主義体制と憲法(2) 権威主義、法の支配及び立憲主義をキーワードに、「権威主義的立憲主義(Authoritarian Constitutionalism)」の視座に批判的検討を加えながらから、シンガポール憲法について講義する。
4 多民族社会における憲法設計(1) 国民統合、多文化主義及び平等をキーワードに、「分裂した社会(divided societies)」の視座から、マレーシア憲法について講義する。

 

5 多民族社会における憲法設計(2) 国民統合、多文化主義及び平等をキーワードに、「分裂した社会(divided societies)」の視座から、マレーシア憲法について講義する。
6 軍と憲法 軍と立憲主義をキーワードに、最近の議論である「軍事的立憲主義(military constitutionalism)」の視座に批判的検討を加えながらから、ミャンマー及びタイの憲法について講義する。
7 社会主義国における憲法 社会主義、体制移行の視座からベトナム憲法について講義する。
8 紛争後の憲法設計(1) 紛争後の憲法設計について、イラクを素材に講義する。
9 紛争後の憲法設計(2) 紛争後の憲法設計について、イラクを素材に講義する。
10 イスラームと立憲主義(1) イスラームと立憲主義に係る問題の諸相について講義する。
11 イスラームと立憲主義(2) イスラーム、民主主義及び権力の正統性について、イラン憲法を素材に講義する。
12 イスラームと立憲主義(3) イスラーム、民主主義及び権力の正統性について、湾岸諸国の憲法を素材に講義する。
13 イスラームと立憲主義(4) イスラーム、民主主義及び権力の正統性について、エジプト憲法を素材に講義する。
14 イスラームと立憲主義(5) イスラームと人権について講義する。
15 レポート構想発表  受講者がレポートの構想(アウトライン、概要等)を発表する。

Assignments Summary:

日付 詳細