コース要綱

講義名
[講義基本情報]

教員: 佐藤 史人
その他の教員:
科目種別: 講義
開講時期: Ⅵ期 Ⅷ期
対象年次: 3年 4年
開講時限: 木3,木4
単位数:
必修の有無:
教室: 文系総合館404/405

 

講義概要  1991年12月にソ連邦はその69年にわたる歴史に幕を閉じた。その後、旧ソ連邦を構成していたロシアをはじめとする旧連邦構成共和国は、市場経済化、すなわち脱社会主義化=資本主義化の道を歩んでいる。「ソ連型社会主義法」もまた、根本的な再編を受けることになり、今なお、その過程のなかにある。
 本講義では、そうした現代ロシア法の特質を、憲法体制を中心に概説する。体制転換期におけるロシアの重大な課題の一つは、法治国家の創出、すなわち法によって政治権力を縛るシステムを構築することにあった。そのような課題がこの四半世紀の間にどのように扱われたのかを、制度と実態の両面から検討する。
 また、ロシアとの比較のため、第二次大戦後にソビエト型政治体制の受容を強いられながら、1989年の東欧革命以後は、民主的法治国家の建設を進め、現在ではEU構成国となっている中欧諸国(ハンガリー・ポーランド)の憲法状況についても取り上げる。
 これらの作業を通じ、日本の法の特質について理解を深めるための比較材料を提供することとしたい。
到達目標

この講義では、日本法の特質に関する理解を深めるために、比較の素材として旧ソ連邦およびロシア連邦の法現象を取り上げ、その基礎的な知識を習得するとともに、その特質を理解することを目的とする。

教科書 教科書は使用しない。授業中に必要な資料を適宜配布する。
参考書・参考資料

概説書として、現代ロシア法については、小森田秋夫編『現代ロシア法』(東京大学出版会、2003年)、小田博『ロシア法』(東京大学出版会、2015年)がある。ソ連時代は、藤田勇『概説ソビエト法』(東京大学出版会、1986年)を参照のこと。ロシア連邦憲法の邦訳は、初宿正典・辻村みよ子編『新解説 世界憲法集』第3版(三省堂、2014年)所収の竹森正孝訳をあげておく。ロシア法の入門書としては、渋谷謙次郎『法を通してみたロシア国家』(二〇一五年、ウェッジ)がある。

成績評価方法 学期末の筆記試験に基づいて評価する。
履修条件 憲法の講義を受講していることが望ましい。
その他の注意

 

テーマ 講義内容 授業時間外の学修活動 関連ページ
1 イントロダクション

2017年度後期ロシア法の概要

・ロシアおよびロシア法とは何か

・ロシア法を学ぶ意義

2 帝政ロシア法史

帝政ロシアの国制

1.20世紀初頭のロシアの国制

2.第一次ロシア革命と立憲主義

3.1906年国家基本法体制

3 社会主義ロシアの法

1.社会主義と民衆の国家構想
2.1917年のロシア革命と法

4 同上

ソビエト型社会主義の成熟とその変容
1.所有、契約制度
2.政治体制
3.ペレストロイカ期における法変動

5 体制転換期のロシア法と93年憲法体制

1.ロシアにおける政治制度改革と法

2.ロシアにおける経済制度改革と法

3.1993年ロシア連邦憲法の成立

6 ロシアの大統領制

93年憲法体制における統治機構(1)
1.大統領制

7 ロシアの議会制

93年憲法体制における統治機構(2)

2.連邦議会

8 ロシアにおける連邦制の特質

93年憲法体制における統治機構(3)

3.連邦制

・ロシアにおける連邦制の歴史的展開

・現代ロシア連邦制の特質
9 現代ロシアの裁判所1

現代ロシアの司法制度とその現状

(1)裁判所体系

(2)裁判官の独立​

10 現代ロシアの裁判所2

(3)憲法裁判所

 ・憲法裁判所の構成と権能

 ・近年の憲法裁判所改革とその特質

11 現代ロシアの軍国主義

(1)「戦勝国」としての現代ロシア史

(2)徴兵制と代替的兵役拒否

(3)現代ロシアの「体験型」軍国主義?

12 現代ロシアと人権

現代ロシアの人権問題

・体制転換と人権保障

・集会、結社の自由をめぐる近年の動向

13 旧ソ連・東欧地域の憲法1

東欧諸国の憲法の動向―ハンガリー・ポーランド

・東欧革命と東欧諸国の憲法変動

・2010年代における東欧諸国の「バックラッシュ」

14 旧ソ連・東欧地域の憲法2

・2010年代における東欧諸国の「バックラッシュ」(続き)

・中央アジア諸国の憲法体制とその課題

15 まとめ 講義の総括

 

 

Assignments Summary:

日付 詳細